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賃貸物件における原状回復義務とは?貸し主、借り主の責任範囲を解説

賃貸物件における原状回復義務とは?貸し主、借り主の責任範囲を解説

賃貸物件にお住まいの方は、退去時に原状回復を行う可能性があります。日常生活を送るうちに生じるキッチンの油汚れ、畳の色落ち、トイレの水垢……現在のご自宅の汚れや劣化は、原状回復の対象となるのか気になりますよね。そこで、こちらでは原状回復の考え方についてお伝えします。

原状回復は、管理会社や大家さんとのトラブルにつながりやすい部分といえます。退去や入居に際して注意しておきたいポイントを知り、速やかに入退去ができるよう、ぜひご一読ください。

賃貸物件の原状回復とは?

賃貸契約で借りた部屋を退去するとき、特定のケースに当てはまる損耗等については、原状回復が必要とされます。まずは原状回復の考え方や発生した金額の精算方法についてご紹介します。

原状回復義務とは?

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」による定義では、原状回復とは「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定められています。

つまり、入居者の故意や過失、あるいは不注意によって生じた損耗については、入居者の責任で元に戻す必要があるという意味です。これは一方で、通常の利用で生じた経年劣化などの損耗が入居者の責任とならないことも意味しています。賃貸人と賃借人の責任の範囲を明確にしておくことが大切です。

原状回復の責任範囲が曖昧なまま契約を結ぶと、退去時に賃貸人と賃借人の間にトラブルが発生するおそれがあります。また、借り主に原状回復についての知識がない場合、不当に高額な修繕費用を請求されていることに気づけないかもしれません。

なお、上記の国土交通省のガイドラインは、原状回復にまつわるトラブルが社会的な問題となったため、ルールを明確にする目的で1998年に作成されたものです。その後、2004年と2011年に改訂されています。原状回復についての判断は、こちらの資料に基づいて行うと良いでしょう。

原状回復費用の精算

原状回復にかかった費用は、敷金から差し引かれます。敷金とは、賃貸住宅の入居前に賃料とは別に支払う初期費用のことです。一般的には、家賃1カ月分に相当する金額を支払います。退去時の原状回復にかかった費用を差し引き、残りの金額は返還されます。ただし、借り主側の故意や過失により室内や設備を大きく損耗させている場合には、敷金を超えて追加徴収が発生するためご注意ください。

原状回復の責任範囲や退去時のクリーニング代について、多くの場合は契約書に記載されています。たとえば、退去時のハウスクリーニング費用は借り主負担として、当該費用は一律2万円とする……といった形です。お住まいの物件の精算方法については、契約内容をご確認ください。

賃貸物件における原状回復の責任範囲

賃貸住宅の原状回復を行うとき、賃貸人と賃借人の責任範囲についてお伝えします。退去時に両者が納得できるよう、事前に義務や具体的な損耗の例を確認しておきましょう。

貸し主側の責任範囲

借り主が生活するうえで自然に発生した損耗については、貸し主の負担となります。たとえば、以下のような損耗は、貸し主側の責任範囲です。

  • 冷蔵庫やテレビの後部にある壁にできた黒ずみ(電気ヤケ)
  • 家具を置いていた部分にできる設置跡
  • フローリングや壁紙の日焼け
  • ポスターを固定したときに付いた画びょうの穴

また、管理会社や大家さんが次の入居者を確保するために行う、以下のような原状回復についても貸し主の負担となります。

  • 畳やフローリング、クロスの張り替え
  • 洗面台、浴槽の取り替え
  • 鍵の取り替え
  • エアコン内部の掃除 など

通常損耗の範囲に含まれるか判断が難しい損耗については、あらかじめ相談しておくと安心です。

借り主側の責任範囲

借り主側の責任範囲となるのは、主に通常の利用による損耗を超えた部分です。たとえば、以下の例については借り主の負担で原状回復を行います。

  • 清掃を怠ったことによる換気扇の黒ずみ、サビ
  • こぼした液体を放置したことで生じたカーペットやフローリングのシミ、カビ
  • 引っ越し作業で生じた壁や床の傷
  • 室内でタバコ吸ったことにより付いた床や壁の変色、焦げ付き、ニオイ
  • ペットの飼育によって発生した引っかき傷やニオイ など

故意や過失による損耗のほかに、手入れ不足による損耗も含まれます。原状回復に高額な修繕費が発生するのを防ぐために、賃貸住宅は日頃から適切に清掃を行いましょう。

賃貸物件の原状回復でトラブルを避けるポイント

賃貸物件の原状回復では、賃貸借契約を結ぶ前に責任範囲を明確にしましょう。また、入居時に室内や設備に汚れや破損がないか確認しておくのが大切です。ここでは入居前の注意点をお伝えします。

契約時に責任範囲を明確にする

賃貸住宅の契約前に、契約書に記載された原状回復に関する項目を確認し、疑問があれば契約前に解消しておきましょう。退去時に支払うクリーニング費用は妥当な金額でしょうか。また、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」と照らし合わせて、原状回復の責任範囲は許容できる内容でしょうか。このとき、契約を結ぶと内容に合意したことになるため、必ず署名前にご確認ください。

賃貸契約に関して第三者への相談が必要なときは、消費生活センターが運営する「消費者ホットライン」や、総合法律支援法に基づいて設置された「日本司法支援センター(法テラス)」、不動産取引に関する電話相談を行う「一般財団法人不動産適正取引推進機構」などの機関が問い合わせに対応しています。お困りの際は、専門知識を持つ第三者へ相談してはいかがでしょうか。

入居前に室内の状態を記録する

賃貸物件の入居前、部屋にある傷・シミ・汚れなどは、デジタルカメラやスマートフォンで撮影し、日付入りで記録しておきましょう。このように記録しておくと、退去時に自分が付けた損耗ではないと証明しやすくなります。また、引っ越しで家具を運び入れる前にチェックを行うことが大切です。物件の引き渡しを行う際は、不動産会社や大家さんと一緒に室内を確認すると良いでしょう。

賃貸物件の原状回復を理解してトラブルのない退去を目指そう

賃貸物件の原状回復は、通常の使用にともなう経年変化や劣化にあたらない、故意や過失による損耗が対象です。一般的に修繕費用は敷金から差し引かれますが、損耗の程度によっては追加徴収が発生する可能性もあります。管理会社や大家さんとのトラブルを防ぐためにも、入居時は室内や設備の状態を確認し、気になることは契約前に相談しておくことが大切です。

引っ越しでは、旧居の原状回復と新居の状態確認が必要となります。ほかにも荷造りや各種サービスの住所変更手続きなど、やるべきことが非常に多いといえるでしょう。特に、新生活のライフラインの使用にかかわる住所変更手続きは、忘れずに済ませる必要があります。その際は、住所変更手続きを一括で済ませられる「引越れんらく帳」のサービスを活用し、スムーズに準備を進めるためにお役立てください。

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