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総括原価方式とは?電気・ガス・水道料金との関連性と仕組みを知ろう

総括原価方式とは?電気・ガス・水道料金との関連性と仕組みを知ろう

水道料金や電気料金、ガス料金、水道料金、鉄道運賃など、公共性の高いサービスの料金設定ってどのように決まっているかご存じですか? 実は、ほとんどの公共的サービスは「総括原価方式」という方法で料金が決定されています。ここでは、私たちの暮らしに密接に関わっているのに実はあまり知られていない、公共料金の決め方について解説します。

また、決められた公共料金を私たちは支払っていますが、引っ越しのときの手続きは面倒でしょう。そんな手続きについて、簡単にできる便利な方法もご紹介します。

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総括原価方式の基礎知識

公共料金の決定方式である「総括原価方式」について、まずはメリットとデメリットをご紹介します。

総括原価方式とは?

総括原価方式とは、かかった営業費(燃料費、設備費、運転費、人件費など)に適正な利潤を加え、電気料金収入以外の収入を引いて 料金を算定するというもので、電気料金など公共性の高いサービスに使用されている計算方式です。利潤は主に、電気事業が合理的に発展するための資金調達コストと しての支払利息や配当に充てられます。
総括原価方式は電力設備の建設・維持のための資金調達を円滑に行うため、電気事業法により定められているもので、料金を事業者の一存で決めることはできません。国による審査があり、地域独占の事業体が過剰な利益を得ることができないようになっています。

総括原価方式のメリット・デメリット

総括原価方式は、サービスを提供する側と受ける側、双方にとってメリットがあるといわれています。
メリットとしては以下が挙げられます。

  • 施設にかかる経費が基本料金の中に含まれているため、事業者が適切な設備投資を行いやすい
  • 運営コストがすべて料金に反映されており、事業者の赤字が発生しにくい
  • 事業者が長期の経営計画を立てやすい
  • 料金の根拠が明確
  • 過剰な値上がりを防ぎ、消費者に過大な負担がかかることが少ない

一方で、以下のようなデメリットがあるとされています。

  • 事業報酬は事業資産に一定の報酬率をかけて算出されるため、無駄な設備投資が増えやすい
  • 経営努力による市場競争が働きにくい

そこで1995年より、電力に関しては総括原価方式にプラスして、ヤードスティック方式 が採用されるようになりました。ヤードスティック方式とは、東京電力や関西電力などの一般電気事業者のコストを比較して基準の標準コストを算定するというものです。点数化して査定することで、間接的に競争を生み出すことを目的としています。

とはいえ、市場競争は十分とはいえず、長らくお得なプランなども登場しないという面がありました。

総括原価方式が採用されている主な公共料金の仕組み

基本的には総括原価方式が採用されている公共料金ですが、小売自由化が始まりさまざまな料金体系も登場し、お得なプランも登場するようになりました。現在、電気、ガス、水道といった重要なインフラの料金はどのように計算されているのでしょうか。

電気

2000年に電気事業法改正により一部でスタートした電力の自由化は 、2016年4月から商店や一般家庭でも適用されるようになりました。これにより、東京電力や関西電力などの一般電気事業者以外でも一般家庭に電気を販売することが可能になったのです。

そして、総括原価方式で規制された料金以外の方法も登場し、選ぶことができるようになりました。今後、新たなメニューやサービスが登場することが期待されています。
ただし料金制度移行の経過措置として、少なくとも2020年3月までは、一般電気事業者はこれまでどおりの総括原価方式に基づく料金メニューも提供することになっています。

また、電気代に毎月プラスされるのが「再生可能エネルギー発電促進賦課金」 です。これは風力や水力などによる再生可能エネルギー普及のため、電力会社が再生エネルギーを買い取るための費用の一部を使用者が負担するというものです。
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、使用した電気の量×2.95円/kWh(キロワットアワー)となります。

ガス

都市ガスでは総括原価方式がとられ、基本料金+従量料金(単価×ガス使用量)で請求金額が決まります。ただし2017年4月からガスの完全小売自由化が始まり、東京電力、関西電力など複数の会社がガスを提供し、電気とセットでお得になるようなプランも登場しました。

一方、プロパンガスはもともと総括原価方式ではなく自由料金制となっており、販売店が料金を決めています。料金の計算方法は3種類あります。

  • 二部料金制・・・基本料金と従量料金の合計で決まります。
  • 最低責任利用料金制・・・一定の利用料まで料金が固定され、それを上回った場合には従量料金となります。
  • 三部料金制・・・基本料金+設備利用料金+従量料金で計算されます。

水道

水道料金は他の公共料金と同様、総括原価方式で算定されます。地方公共団体が運営する場合は、議会の議決を経て条例で料金が定められることになっています。
基本料金+従量料金で計算され、基本料金は水道メーターの口径に応じて変わります。集合住宅と戸建て住宅で基本料金が異なるのは、メーターの口径の大きさに違いがあるからです。

また、水道料金には上水道料金のほか、下水道料金もかかることを忘れてはいけません。下水道料金も基本料金+従量料金で計算されます。ただし、基本は建物の形態にかかわらず一律となります。

公共料金、各種サービスの引っ越し手続きは「引越れんらく帳」がおすすめ

公共料金といえば、引っ越しの際の手続きで苦労した方も多いのではないでしょうか。それぞれに連絡をして手続きをするには、時間も手間もかかります。それを解消してくれるのが「引越れんらく帳」です。その使い方や申し込み方法についてご紹介します。

「引越れんらく帳」の特徴

引越れんらく帳とは、引っ越しに伴い必要な住所変更をこれひとつでできるサービスです。電気やガス、水道など、総括原価方式が採用されている主な公共料金の停止・開始手続きをまとめて行うことができるので、引っ越しの際の面倒な手続きがいりません。

ほかにもNHKや宅配業者、インターネット、新聞、クレジットカードなどもあわせて住所変更手続きが可能です。ただし、提携している事業者のみの対応となるのでご注意ください。また事業者によっては別途、手続きが必要になる場合もあります。

申し込むには、引越れんらく帳のホームページからまず会員登録し、現住所と引っ越し先の住所を入力します。会員登録は無料です。

手続き可能な電力会社、ガス会社、水道局などが表示されますので、必要事項を入力し、情報を送信します。あとは確認のメールが届きますので、必ずチェックしてください。

「引越れんらく帳」を活用するメリット

業者ごとに何度も連絡するわずらわしさがありません。24時間対応なので、日中忙しくて時間がない人も安心です。また、申し込み後の進捗が確認できるほか、アラート機能があるため抜け漏れなく手続きを行えます。

小売自由化で料金の計算方法も多様化

従来、公共料金の多くは営業費に利潤を上乗せした総括原価方式がとられてきました。総括原価方式には、料金設定の根拠が明確だというメリットがある一方、企業間の競争が働かず、お得なプランやサービスが登場しにくいというデメリットもありました。
しかし、電気やガスの小売自由化により、消費者がサービスを提供する会社を選べるようになりました。

公共利金に関して面倒なのが、引っ越しの際の手続きでしょう。そこで便利なのが、引越れんらく帳です。簡単な入力だけで、電気や水道などのライフラインに関する手続きをまとめてサポートしてくれます。まずはホームページを見て検討してはいかがでしょうか。

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