都市ガスとプロパンガスの違いは?料金や見分け方、メリット・デメリットを解説
日常生活で使用されるガスには、都市ガスとプロパンガスの2種類があります。これらは地域によって異なり、種類に応じて料金体系や供給方法も変わります。本記事では、都市ガスとプロパンガスの違いや見分け方、メリット・デメリット、ガスの種類を切り替える手続きについて解説します。
この記事の目次
◆【ガスの引っ越し】停止・開始手続きを解説!立ち会いに間に合わない場合は?
◆供給地点特定番号とは?引っ越し先の番号の調べ方や電力会社切り替え方法を解説
都市ガスとプロパンガスの違い
都市ガスとプロパンガスは、価格、供給方法、原料、ガスの重さなどに違いがあります。
都市ガス | プロパンガス | |
料金 | プロパンガスより安い | ・都市ガスより高い ・会社の料金差が大きい |
供給方法 | 地下を通るガス導管 | 各物件に設置のガスボンベ |
供給エリア | 提供エリアが限られる | 全国どこでも |
災害時の復旧 | 時間がかかる | 比較的早い |
原料 | 液化天然ガス(LNG) | 液化石油ガス(LPG) |
重さ | 空気より軽い | 空気より重い |
料金
2017年のガス自由化をきっかけに、ガス会社が料金を自由に設定できるようになったものの、価格差がそこまで大きくなく、全体的に安価な傾向です。
プロパンガスは昔から自由に使用料金を設定できる自由料金制です。ガス会社によって価格差があります。プロパンガスの料金については後述の「プロパンガスのメリット・デメリット」をご覧ください。
一般社団法人プロパンガス料金消費者協会によると、東京都のプロパンガスと都市ガスの料金には4,000円近くの差があります。
都市ガス (プロパン換算価格) |
プロパンガス (平均価格) |
|
基本料金 | 1,056円 | 1,906円 |
従量料金(10㎥利用時) | 3,202円 | 6,266円 |
合計料金 | 4,258円 | 8,172円 |
供給方法・供給エリア
都市ガスは、地下のガス導管を通してガスを供給し、プロパンガスは、物件に配置したガスボンベから供給します。都市ガスの供給には、地下に導管を通す必要がありコストがかかります。そのため、供給エリアは人口の多い都市部に限られてしまいます。一方、プロパンガスはガスボンベと設備があれば、都市部でなくても供給できます。
原料
都市ガスはメタンを中心とした液化天然ガス(LNG)、プロパンガスはプロパンやブタンを主成分とした液化石油ガス(LPG)がそれぞれ原料です。不動産サイトの物件情報などでは、プロパンガスのことをLPガスと記載されていることがあります。
ガスの重さ
都市ガスは空気よりも軽く、プロパンガスは空気よりも重いという違いがあります。ガス漏れが発生した際は、窓を開けるのか床を掃くのか、使用ガスごとに対応が変わります。
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都市ガスとプロパンガスの見分け方
都市ガスとプロパンガス、どちらを使っているのかは物件の外と中で見分けられます。
物件の外を見る
物件の外から見分ける場合、敷地内にガスボンベが設置されているかを確認してください。ガスボンベが設置されていたらプロパンガス、設置されていなければ都市ガスを使用しています。
物件の中を見る
物件の中で見分ける場合、ガスコンロのシールやガス漏れ警報器の位置を確認してください。 ガスコンロにはシールが貼られており、都市ガスは「12A」「13A」「都市ガス用」、プロパンガスは「LPG」「プロパンガス用」などと表記されています。ガス警報器の位置はガス事業法で定められており、ガスの重さで設置場所が異なります。
各ガスのガス漏れ警報器の設置ルール
都市ガス:天井から30cm以内、燃焼器から水平距離8m以内
プロパンガス:床面から30cm以内、燃焼器から水平距離4m以内
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都市ガスとプロパンガスのメリット・デメリット
ここからは、都市ガスとプロパンガスのメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。両者のメリット・デメリットの一覧は以下の通りです。
都市ガス | プロパンガス | |
メリット | ・料金が安い ・環境への負荷が小さい |
・災害時の復旧が早い ・全国どこでも利用できる |
デメリット | ・災害時の復旧に時間がかかる ・提供エリアが限られている |
・料金が高い ・環境への負荷が大きい |
都市ガスのメリット・デメリット
メリット1. 料金が安い
都市ガスのメリットは、ガス料金が比較的安い点です。ガス自由化によって、自由に料金設定ができるようになったものの、ガス会社ごとの年間の使用料金に、それほど大きな差はありません。現在の都市ガスは、基本料金+従量料金(単価×ガス使用量)で請求金額が決まります。プロパンガスと違って、人件費や配送費などのコストも抑えられます。
メリット2.環境への負荷が小さい
都市ガスの原料は、メタンが主成分である液化天然ガス(LNG)です。天然ガスは石油や石炭に比べて、燃焼後の二酸化炭素や窒素酸化物の排出量が少ないとされています。硫黄酸化物や窒素酸化物など、大気汚染の原因になる有害物質の排出量も少ないのが特徴です。
デメリット1.災害時の復旧に時間がかかる
都市ガスは、地下の導管を通してガスを供給しているため、災害時にガス管が破裂すると復旧に時間がかかります。エリアごとにガス管を検査して復旧させる必要があり、点検や工事が大掛かりになるからです。実際に東日本大震災では、200万戸でガスの供給が停止され、復旧完了までに約2か月もの期間を要しました。
デメリット2. 提供エリアが限られている
提供エリアが限られていることもデメリットです。都市ガスは、基本的に都市部の人が多く住むエリアに提供されており、人口が少ない地域では普及が進んでいません。導管の工事には莫大なコストがかかるためです。
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プロパンガスのメリット・デメリット
プロパンガスを利用するメリット・デメリットについても詳しく説明します。
メリット1. 災害時の復旧が早い
プロパンガスのメリットは災害に強いことです。プロパンガスは各家庭に設置されたガスボンベさえあれば使用できて、大掛かりな工事は不要です。ボンベを交換すれば速やかにガスの利用が再開できるため、復旧スピードが早くなっています。
メリット2. 利用できるエリアが広い
プロパンガスは利用可能エリアを気にせずに、全国どの地域でも使えます。設置したガスボンベから直接ガスを引くため、導入に大規模な工事が必要ありません。導入時の工事費用を含む初期費用は、毎月のガス利用金額に上乗せされるため、支払いもひとつにまとめられます。集合住宅や賃貸物件の場合、ガス会社の変更には管理会社や大家さんなど建物の所有者の承諾が必要です。
デメリット1. 料金が高い
都市ガスと比較して、ガス料金が高い点はデメリットです。プロパンガスはガス会社が自由に使用料金を設定できるため、会社によって差があります。公式サイト上にも料金が載っておらず、見積もりを取らないと正確な料金がわからないこともあります。同じ使用量でも選んだガス会社によって料金が全く異なる可能性があるため、プロパンガスを選ぶ際には、直接ガス会社に問い合わせて料金を確認するといいでしょう。
プロパンガス料金の計算方法は以下の3種類です。
料金体系 | 内容 |
二部料金制 | 基本料金+従量料金 |
三部料金制 | 基本料金+設備利用料金+従量料金 |
最低責任使用料金制 | 最低使用料金(一定の使用量)+超過分の従量料金 |
デメリット2. 環境への負荷が大きい
プロパンガスの燃料である液化石油ガス(LPG)は、燃焼時の二酸化炭素の排出量が都市ガスに比べて多くなります。二酸化炭素が増え続けると地球温暖化などの原因になるため、環境への負荷が大きいといえます。
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ガス料金を安くするなら都市ガス
ガス料金を安くするには、都市ガスの利用がおすすめです。しかし、都市ガスは供給エリアが限られているため、お住いの地域で都市ガスが対応しているかをご確認ください。また、プロパンガスから都市ガスへの変更は、基本的に賃貸物件のオーナーか、ご自身の持ち家でなければできません。賃貸物件にお住いの場合、住人が自由に変更できないことが多いです。切り替え方法や費用については後述の「プロパンガスから都市ガスへの切り替え方・料金」をご覧ください。
プロパンガスでも価格を安く抑える方法はあります。都市ガスとは違い、古くからプロパンガスは自由料金でした。そのため、販売店を変えるだけで倍近く料金が変わるケースもあるので、複数の販売店を見て比較検討することが大切です。インターネットで業者比較サービスや相談サービスを利用すれば、料金やサポート体制なども簡単に調べられます。
ただし、公式サイトに料金が記載されていないこともあるので、実際の金額は電話で確認が必要です。ガス会社によっては電気とのセット割など、独自のサービスを提供している場合もあるため、いくつかのガス会社で相見積もりを取ることをおすすめします。
引っ越しの際には電気・ガス・水道などのライフライン手続きが必要です。忙しい方には、これらの手続きをインターネットから一括で完了できるサービス「引越れんらく帳」がおすすめです。24時間いつでもご利用でき、登録・利用は無料です。この機会にぜひ、ご活用ください。
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プロパンガスから都市ガスへの切り替え方・料金
切り替え手続きの流れは以下の通りです。
プロパンガスから都市ガスへ変更する際のおおまかな手順
1. 都市ガス会社の選択
2. 現地確認と見積もり取得
3. 都市ガス会社と契約、工事日程の調整
4. プロパンガス会社の解約
5. ガス管の引き込み工事
ガス管の引き込み工事費用は、地中の導管と自宅までの距離で変わります。大体1mあたり10,000円前後かかるため、100,000〜200,000円が相場です。建物の立地や周辺の状況、ガス会社などにより工事費用は異なるので、事前の見積もりで費用を確認してください。
都市ガスからプロパンガスへの切り替え時は、ガス器具の出力変更が必要です。出力変更を行うには、各ガス機器のメーカーに問い合わせて、部品の取り付けを依頼します。使っているガス機器で出力変更ができるとは限らないので、変更できない場合は別途買い替えます。
電気、ガス、水道などの引っ越し手続きを一括完了
引っ越し時はガス以外にもたくさんの手続きが
都市ガスとプロパンガスの違いや見分け方、メリット・デメリット、切り替え可否などを解説しました。料金も異なるため、お住いの地域や希望に合ったガスを選択しましょう。
引っ越し時は、ガス以外のライフラインの変更手続きも必要です。引っ越し準備期間は荷造りや挨拶周りなどで忙しくなるため、すべての住所変更手続きがまとめてできれば、大きく負担が軽減されるでしょう。
そんなときに便利なのが「引越れんらく帳」です。引越れんらく帳では、一回の情報入力で複数の手続きをまとめて完了できます。ライフラインのほかにも、NHK、固定電話、新聞、通販などと提携しています。複数の引っ越し手続きを一括管理したい方は、ぜひ引越れんらくをご活用ください。
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◆【ガスの引っ越し】停止・開始手続きを解説!立ち会いに間に合わない場合は?
◆供給地点特定番号とは?引っ越し先の番号の調べ方や電力会社切り替え方法を解説