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被保険者住所変更届とは?引越し時に必要な健康保険、厚生年金保険の住所変更手続きを解説

被保険者住所変更届とは?引越し時に必要な健康保険、厚生年金保険の住所変更手続きを解説

会社勤めの方や公務員の方は、引っ越しなどで住所変更があったとき健康保険や厚生年金保険の被保険者住所変更届」による手続きが必要です。

この記事では、被保険者住所変更届による手続きが必要なのはどんな人か、誰がどのような手続きをしなければならないか、また手続きが遅れた場合のデメリットなどについて詳しくまとめます。

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被保険者住所変更届とは何?個人や会社(事業主)による手続きは必要?

健康保険や厚生年金保険の加入者が、引っ越しなどにより住所を変更した場合、「被保険者住所変更届」の届け出が必要です。なお、健康保険の保険者は全国健康保険協会(協会けんぽ)や健康保険組合等ですが、加入や保険料徴収などの事務は年金事務所で行っていますので、日本年金機構が管轄しています。

まず、国民年金の被保険者について簡単に解説します。

国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満の人(条件を満たせば海外国籍の人も)が加入する年金保険です。

国民年金の被保険者は加入者の職業等によって下図の通り、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者に分類されています。

区分 結婚後
第1号被保険者 第2号被保険者 第3号被保険者
対象者 国民年金に加入する20歳以上60歳未満の自営業者・農業者とその家族・学生・無職の人など 国民年金に加入する会社員・公務員など 第2号被保険者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者で、年収が130万円未満の人
国民年金加入
厚生年金加入 × ×
窓口 市区町村の役所・役場 勤務先 配偶者の勤務先
必要な届 ・戸籍・住民票に関する届
・氏名変更(訂正)届
・氏名変更(訂正)届
・ 住所変更届
・第3号被保険者届
・ 氏名変更届
・ 住所変更届

簡単にいえば、会社に雇用されている被雇用者、短期労働者や公務員の方は第2号被保険者です。

第2号被保険者は、引っ越しなどによる住所変更の際には、その旨を会社に申し出て、健康保険・厚生年金の住所変更手続きを行ってもらいます。

また、第2号被保険者で被扶養配偶者がいる場合には、「国民年金第3号被保険者住所変更届」により、配偶者の住所変更手続きも併せて行います。

オフィス事務

これらの手続きは自分で直接、日本年金機構に申請するわけではありません。第2号被保険者の勤務先に住所変更の申し出を行い、勤務先が日本年金機構に書類の提出を行います。

手続きが遅れると、国民年金や健康保険に関する郵便物が引越し前の住所に送られてしまう危険があります。引っ越しをしたときには、速やかに事業主に住所変更の申し出をし、会社側もなるべく早く手続きを行いましょう。

ただし後ほど説明しますが、マイナンバーと基礎年金番号が紐付けされている方であれば、これらの届出は不要です。

会社への住所変更の申し出については「住所変更を会社に届け出るタイミングと伝え方は?忘れるとどうなる?」に詳しくまとめましたので、併せてご覧ください。

個人事業主や学生、農業従事者などの第1号被保険者は、市区町村役場で国民年金の住所変更手続きや、国民健康保険の資格喪失・加入手続き等を行う必要がありますが、それらの手続きで事足りますので、別途「被保険者住所変更届」による手続きを行う必要はありません。

マイナンバーに結び付いていれば被保険者住所変更届が不要

先述の通り、基礎年金番号とマイナンバーが紐付けされていれば、被保険者住所変更の届出は不要です

マイナンバー

日本年金機構では、基礎年金番号とマイナンバーの紐付けを進めており、2017年1月からはマイナンバーカードによる照会・相談が可能になっています。さらに2018年3月5日以降、基礎年金番号とマイナンバーの紐付けが済んでいる被保険者は、住所変更届・氏名変更届・死亡届を日本年金機構に届け出る必要がなくなっています。

ただし住所変更などで、マイナンバーカードの記載内容に変更があった場合は、マイナンバーの変更手続きが必要です。手続きは、記載内容の変更があった日から14日以内に行います。

マイナンバーカードの住所変更などの手続きについては「引っ越しでマイナンバーカードも変更が必要?手続きの流れと注意点を解説」にまとめましたので、是非ご覧ください。

被保険者住所変更届の書き方と提出の仕方は?

従業員等から申し出を受けた事業主は日本年金機構に「被保険者住所変更届」と「国民年金第号被保険者住所変更届」を提出します。

以下では、2つの書類の入手方法や書き方、提出方法などについてまとめます。

手続き①被保険者住所変更届を入手

「被保険者住所変更届」は、国民年金や健康保険(協会けんぽ)に加入している従業員から申し出を受けた事業主が手続きを行います。

「被保険者住所変更届」と「国民年金第3号被保険者住所変更届」は、日本年金機構のHPからダウンロード(PDFとExcel)できます。それぞれ、ファイルの1枚目に「健康保険・厚生年金保険 被保険者住所変更届」、2枚目に「国民年金第3号被保険者住所変更届」、3枚目に記入見本があります。また、同HPからそれぞれの記入例もダウンロードできます。

提出の必要があるのは、日本年金機構が管轄する健康保険(協会けんぽ)と国民年金(この場合、第2号の方なので厚生年金)に関係する部分についての書類です。健康保険組合管掌の健康保険等に加入している場合は、日本年金機構の管轄に限って言えば「厚生年金保険のみの加入者」という扱いになります。

住所変更のある方 加入している保険
協会けんぽ+厚生年金
厚生年金のみ
協会けんぽのみ
1枚目(被保険者住所変更届) 2枚目(国民年金第3号被保険者住所変更届) 1枚目(被保険者住所変更届) 2枚目(国民年金第3号被保険者住所変更届)
被保険者+被扶養配偶者 必要 必要 必要※被扶養配偶者の住所欄は記入不要 不要
被保険者のみ 必要 不要 必要 不要
被扶養配偶者のみ 不要 必要 不要 不要

年金の住所変更手続きについて、詳細は「【年金の住所変更】手続きの方法と注意点をわかりやすく解説」の記事も併せてご覧ください。

手続き②被保険者住所変更届の書き方

「被保険者住所変更届」に記載する際には、「個人番号(マイナンバーあるいは基礎年金番号)」に記載ミスがないかを特によく確認してください。

記入欄はマイナンバーに合わせて12桁分用意されていますが、10桁の基礎年金番号を記入する場合は、左詰めで記入する必要があり、注意が必要です。

手続き③被保険者住所変更届の提出先と方法

従業員から住所変更の申し出を受けた事業者(総務や人事などの部署)は、「被保険者住所変更届」及び「国民年金第3号被保険者住所変更届」を速やかに提出します。書類の提出先は、事業所の所在地を管轄する年金事務所です。

届け出の方法は、郵送や窓口持参、電子申請などから選択できますが、「国民年金第3号被保険者住所変更届」に関しては電子申請に対応していません。

なお、繰り返しになりますが、上記の手続きは事業者が行います。従業員などにあたる第2号被保険者や第3号被保険者が行うのは、事業主や共済組合に住所変更の申し出を行い、手続きをしてくれるように申請することです。

その際に、「被保険者住所変更届」や「国民年金第3号被保険者住所変更届」の記入をして提出するよう求められたら、事業主や共済組合の担当部署に必要書類を提出しましょう。

第3号被保険者の方は、配偶者を通じて事業所に提出することになります。「国民年金第3号被保険者住所変更届」の右下にある、第2号被保険者に委任する旨の欄にチェックを入れ、必要事項を記入しましょう。

第1号被保険者に該当する方は、「被保険者住所変更届」ではなく、市区町村役場で国民年金や国民健康保険の住所変更手続きをすることになります。

引っ越しのライフライン手続きはネットでまとめて簡単に!

「被保険者住所変更届」は会社勤めの方や公務員の方に引っ越しなどで住所変更があったときに、事業主や共済組合を通じて日本年金機構に提出する書類です。住所に変更が生じた際は、速やかに手続きを行ってください。

なお、引っ越しの際には社会保険の手続きだけでなく、電気やガス、水道、通信などライフラインの手続き、さらに荷造り等の引っ越し準備もあり、非常に忙しくなります。「引越れんらく帳」は電気、ガス、水道や、通信、放送の事業者が参画しており、これらの手続きを簡単に一括で行えるサービスです。引っ越しの際には、便利な「引越れんらく帳」を是非ご活用ください。

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