
保険証の住所変更手続きの方法とは?申請の遅れに要注意!
引っ越しをするとき忘れてはならないのが、保険証の住所変更手続きです。住所が変われば管轄の自治体が代わり、保険の再加入手続きが必要なケースもあります。引っ越しが決まったら、なるべく早い段階で住所変更の手続き方法について確認しておくと安心です。
こちらでは、保険証の住所変更手続きの方法と、申請時のポイント、住所変更しなかった場合に起きることをご説明します。引っ越しにともなう手続きはゆとりをもって速やかに済ませましょう。
保険証の住所変更の方法
保険証の住所変更の方法は、国民健康保険と社会保険でそれぞれ異なります。以下、2種類の手続き方法について解説していきます。
国民健康保険
国民健康保険は、自営業やフリーランスなどの個人事業主が主な対象となる保険です。具体的には、厚生年金保険・船員保険・共済組合に加入していない方が対象者となります。
国民健康保険の住所変更は、市区町村の専用窓口で行います。人により引っ越し先の市区町村がこれまでと同じ場合もあれば、異なる場合もあるでしょう。それぞれ手続きの方法が異なる点に留意してください。なお、申請は代理人が行うことも可能です。
同一市区町村内で引っ越しをする場合
居住地の役所・役場の専用窓口で住所変更を行ってください。必要な書類は、国民健康保険証・本人確認ができる書類・印鑑です。本人確認を行うために、運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどを用意しておきましょう。本人確認書類と印鑑を持参すると、即日で保険証を交付してもらえます。保険証をすぐに利用する予定がある方は、必要な書類をお持ちください。一方で、その場で本人確認ができない場合、新しい国民健康保険証は郵送されます。お急ぎでなければ、郵送を利用しても良いでしょう。
また、本人が都合により役所に出向けず、代理人に申請を依頼するケースもあり得ます。その際は申請者の国民健康保険証と併せて、委任状と代理人の印鑑および本人確認書類が必要です。委任状の書き方は、各自治体の様式に合わせてご記入ください。書類には委任者本人による署名・捺印が必須で、かつ原本を提出します。依頼するときは忘れずに準備しておきましょう。
異なる市区町村へ引っ越しする場合
異なる市区町村へ引っ越す場合は、まず旧住所の役所で転出手続きが必要です。転出届を出すとともに、国保脱退のための「資格喪失手続き」を行います。その後、新住所の役所窓口に転入届を提出し、国民健康保険の再加入手続きをするという流れです。
別の市区町村へ移動する場合は、「脱退手続き」と「再加入手続き」の2つのステップで手続きする点を押さえておきましょう。必要書類は同一市区町村内で引っ越しするときと同様で、代理人による申請も可能です。住所変更は、転入届の提出と同時に行うと、何度も役所へ足を運ぶ手間が省けます。役所の窓口は平日しか開いていないところが多いため、手続きはなるべくまとめて済ませましょう。
社会保険
社会保険(厚生年金保険)は、健康保険の適用事業所に属する労働者が主な対象です。民間企業に勤めるビジネスパーソンの方は、基本的に社会保険の対象者となります。
社会保険の住所変更の方法は、加入する保険組合によって異なります。基本的には、勤務先の会社に申請すれば会社が手続きを代行してくれます。まずは、住所が新しく変わることを会社に連絡しましょう。ご自身でするべきことは、保険証の住所欄に記載された旧住所を二重線や修正テープなどで消して、新住所に書き換える作業です。会社への住所変更の申請は忘れずに行ってください。
保険証の住所を変更するときのポイント
国民健康保険証の住所変更手続きには期限があります。引っ越しの際は速やかに手続きを行いましょう。以下では、保険証の住所変更で注意したいポイントをご説明します。
住所変更は引っ越し後速やかに行う
国民健康保険の住所変更手続きの期限は、転居後14日以内です。この間に住所変更や再加入手続きを済ませる必要があります。前述のように、転入届の提出と同時に手続きを済ませるなど、スムーズに進行するために工夫すると良いでしょう。期限に間に合うように、効率良く手続きを進めてください。
一方、社会保険の再加入手続きには明確な期限の定めはありません。しかし、住所変更の手続きが完了しなければ、その後の納税処理を正しく行えないおそれがあります。社会保険の住所変更も国民健康保険と同様に、速やかに行ってください。
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本人確認書類の住所変更を先に済ませておく
国民健康保険証の住所変更手続きでは、本人確認書類の提出が必須です。このとき、本人確認書類が旧住所のままでは手続きを行えない可能性があります。先に運転免許証やパスポートなど必要書類の住所変更を行っておくと、保険証の手続きもスムーズに進めやすくなります。
運転免許証の住所変更の申請先は、引っ越し先の運転免許試験場や運転免許更新センター、もしくは警察署です。パスポートの場合、住所変更は任意で記入する住所欄を書き換えるだけで問題ありません。本人確認書類と国民健康保険証の手続きは、並行して進めましょう。
◆引っ越し時に必要な運転免許証の住所変更|準備する物と手続きの流れ
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保険証の住所変更をしないとどうなる?
国民健康保険料の納付先はお住まいの自治体です。保険証の手続きは、医療機関での診療や薬の処方にかかわります。最後に、住所変更をしないことで起こり得る影響やデメリットをご紹介します。
◆住所変更しないとどうなる?住民票を異動させる必要性と手続きの手順 保険証の住所変更を行わないまま医療機関を受診した場合、たとえ保険料をきちんと納めていたとしても、費用は全額自己負担となります。診察内容によっては高額の支払いが発生するケースもあるため、保険証に関する手続きは着実に済ませておきましょう。 過払いが発生した場合には、保険証を新住所に書き換えた後で払い戻しを受けられます。その際には、療養費申請書・領収書・診療報酬明細書(レセプト)・保険証・印鑑・銀行口座の分かるものなどを用意しましょう。払い戻し期限は2年間であるためお気をつけください。 申請先は、国民健康保険の場合は各自治体の国民健康保険課、社会保険の場合は全国健康保険協会(協会けんぽ)もしくは「組合健保」となります。手続き方法や必要書類は申請先により異なるため、ご自身が加入している保険に合わせてご確認ください。 異なる市区町村へ引っ越した後、保険の再加入手続きが完了しなければ、保険料の請求書が送付されないことがあります。この状態が続くと、本来払うべき保険料が支払われず未納の状態となってしまいます。再加入手続き後、滞納分をまとめて支払うと大きな負担になるかもしれません。このような事態を防ぐためにも、保険証の再加入手続きは引っ越し後速やかに行いましょう。
保険料が全額自己負担になる
未払い分の保険料をまとめて支払うことになる
引っ越し後の予期せぬ出費を防ぐために、保険証の住所変更は忘れずに!
引っ越し時には、各種サービスの住所変更手続きが発生します。いずれの手続きも迅速な対応が望まれますが、なかでも保険証の手続きに不備がある場合には、医療機関でかかる費用が全額自己負担となる可能性が高くなります。大きな負担となるためご注意ください。引っ越し直後に受診することを想定して、保険証の住所変更は引っ越し後速やかに行いましょう。
国民健康保険証の加入手続きには、期限がある点に注意が必要です。申請は転居後14日以内と定められているため、前もって準備を進めておきましょう。
期間は2週間の猶予がありますが、大型連休や仕事の繁忙期などが重なれば、役所へ行く時間がなかなかとれないかもしれません。医療費はいつどこで発生するか予測がつかないため、全額自己負担で支払うリスクを避けるためにも、着実に手続きをお済ませください。
保険証の住所変更では、提出期限、必要書類に関する情報、代理人申請の方法、異なる市区町村に引っ越す場合の手続き方法など、事前に押さえておくべきポイントがたくさんあります。今後に引っ越しの予定がある方は、今回ご紹介した情報をぜひ参考にしてください。