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引っ越し時に住所変更しないとどうなる?過料・補助金・選挙への影響と正しい手続きを解説

引っ越し時に住所変更しないとどうなる?過料・補助金・選挙への影響と正しい手続きを解説

引っ越しをした際、住民票の住所変更を忘れてしまうと、どんな問題があるのでしょうか?

結論から言えば、最大5万円の過料が科される可能性があるほか、選挙権の喪失や補助金の申請不可、公的書類が届かないといったさまざまな不利益が発生します。住民基本台帳法では、引っ越しから14日以内に住所変更の届け出を行うことが義務付けられています。

この記事では、住民票を異動しなかったときに生じるリスクや、例外となるケース、そして正しい手続き方法まで、網羅的に解説します。引っ越し後の住所変更に不安がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

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【結論】引っ越し時に住所変更しないと生じる5つのリスク

住民票を異動せずに放置していると、主に以下のような問題が生じる可能性があります。

住民票には氏名や生年月日、性別、住所、世帯主との続柄などが記録されており、それをまとめたものが住民基本台帳です。引っ越し時の住所変更(住民票の異動)は「住民基本台帳法」という法律で義務付けられており、住民票を移さなかった場合、先述のリスクが生じる可能性があります。各リスクについて、詳しく見ていきましょう。

リスク①5万円以下の過料を科される

住民基本台帳法により、引っ越し後14日以内の住所変更が義務付けられています。正当な理由がないまま放置すると、5万円以下の過料が科される可能性があります。

住民票を異動させなくてもよいのは、生活の拠点が変わらない場合や、移住が1年未満と分かっている場合などです。これら以外で住所変更をしないと、過料の対象となる可能性がありますのでご注意ください。

リスク②公的書類が届かなくなる

住民票の住所宛に送られる納税通知書、保険証、選挙通知などの重要書類が届かなくなります。公的な書類はさまざまな手続きで必要ですので、引っ越し時は必ず住民票を異動しましょう。

リスク③各種証明書の発行や免許更新に支障が出る

印鑑登録証明書・戸籍謄本などの証明書は、住民票のある自治体でのみ発行可能です。旧居の役所まで行く必要が出てくるほか、免許更新も旧住所の警察署対応になります。

リスク④補助金・行政サービスが受けられない

住民票が旧住所のままだと、各種補助金やサービスの対象外になる恐れがあります。引っ越し後の新住所での申請資格を満たせません。たとえば図書館を利用する際、新居の本人確認書類がないと利用カードが作成できず、本の貸し出しをしてもらえないことがあります。助成金や給付金なども、住民票記載の住所で申請する必要があるため、現住所と住民票に記載の住所が異なると申請できません。

上述のとおり、住民票はさまざまな行政サービスに必要不可欠です。引っ越した際は、速やかに住民票の異動手続きをしましょう。住民票異動については、「引っ越しで住民票を異動する方法!忘れるとどうなる?移さないのもあり?」でも解説しているので、併せてご覧ください。

リスク⑤選挙権を失う(投票できない)

選挙権は住民票のある自治体に紐づいているため、新居での投票ができなくなります。

【例外あり】住民票を移さなくてよいケースとは?

引っ越し時の住所変更(住民票の異動)は法律で義務付けられていますが、一部例外も存在します。住所変更をしなくてよいケースは次の通りです。

  • 新居に住む期間が1年未満と分かっている場合
  • 高校や大学への進学のために転居する場合
  • 生活の拠点が異動しない場合

転勤や単身赴任などで、新居に住む期間が1年未満と分かっているときは住民票の異動が不要です。進学に伴う1人暮らしを始める学生も同様で、通学のための一時的な住まいであり生活の拠点は移動しないと判断されます。ただし、国や自治体からの郵便物は住民票記載の住所に届くためご注意ください。

【手順解説】住民票の住所変更手続き

住民票の異動手続きは、同じ市区町村内で引っ越す場合と他の市区町村へ引っ越す場合で内容が異なります。それぞれの手順を見ていきましょう。

◆引っ越し時に役所でやること・手続きの順番一覧!住所変更方法と必要書類まとめ

他の市区町村へ引っ越す場合:転出届・転入届の提出

他の市区町村へ引っ越す場合、旧居の役所に転出届、新居の役所に転入届を提出することで住民票異動が完了します。転出届は引っ越しの14日前から引っ越し当日、転入届は引っ越し後14日以内が提出期限です。提出の流れは以下のとおりです。

ステップ①:転出届(旧居の役所)

転出届は、引っ越しの14日前から引っ越し当日の間に旧居の役所に提出します。手続きには本人確認書類と印鑑が必要です。転出届の用紙は窓口で受け取るか、事前に役所のホームページでダウンロードして記入してください。転出届の手続きが完了すると、「転出証明書」が発行されます。これは、引っ越し先で転入届を提出する際に必要になるので、大切に保管しましょう。

また、転出届提出にマイナンバーカードを利用すると「転入届の特例」の対象になり、転出証明書の交付を受けることなく転出入の処理ができます。各自治体のホームページに詳しい要件が記載されているので、事前に確認しておきましょう。

なお、本人や同世帯の方が窓口に行けないときは次の方法でも提出可能です。

  • 代理人(親族や友人など)に委任する
  • 郵送する
  • オンライン提出する

転出届は引越れんらく帳やマイナポータルを利用して、オンライン提出できます。マイナンバーカードがあれば、直接役所に出向くことなくインターネット上で申請を行えます。引越れんらく帳であれば、転出届提出だけでなく、電気・ガス・水道やインターネット等のライフラインやNHKの住所変更なども一緒にオンライン手続きできます。無料で利用できるので、引っ越し手続きを簡単に済ませたい方はぜひ試してみてください。

【転出届のポイント】

  • 提出期間:引っ越し前〜当日
  • 持参物:本人確認書類、印鑑
  • 発行物:転出証明書
  • オンライン手続き:可能(マイナンバーカード・xIDアプリが必要)

ステップ②:転入届(新居の役所)

転入届は、引っ越しから14日以内に新居の役所に提出します。マイナンバーカードを使って転出手続きをした場合の転入届提出期限は、転出時に届け出た転出予定日から30日以内かつ引っ越し日から14日以内です。

提出の際には旧居の役所で交付された転出証明書、本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)、印鑑、マイナンバーカード(所持している場合)などが必要です。

◆転入届は引っ越し前に提出できる?提出はいつからいつまで?
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【転入届のポイント】

  • 提出期限:引っ越しから14日以内
  • 持参物:転出証明書、本人確認書類、印鑑、マイナンバーカード
  • オンライン手続き:転入予約(転入(転居)届提出のための来庁予約)は、引越れんらく帳やマイナポータルからオンラインで可能。

同一市区町村内で引っ越す場合:転居届の提出

旧居と同じ市区町村内で引っ越す場合、引っ越しから14日以内に新居の役所に転居届を提出することで住民票異動が完了します。転居届も転入届と同じく、郵送やオンライン提出ができず、新居の役所での手続きが必要です。

提出の際に、本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)、印鑑、マイナンバーカード(所持している場合)などが必要です。新居の役所で転居届を記入し、本人確認書類を提出してください。問題なければ転居届が受理されます。引っ越しから14日以内に本人または同一世帯の方が提出に行けない場合、代理人手続きもできます。委任状や代理人の本人確認書類、代理人の印鑑などが別途必要です。

【転居届のポイント】

  • 提出書類:転居届(転出証明書は不要)
  • 提出先:新居の役所
  • 提出期限:引っ越し後14日以内
  • 持参物:本人確認書類、印鑑、マイナンバーカードなど

【便利】「引越れんらく帳」を使ったオンライン手続き

引越れんらく帳を使えばオンラインで転出届の提出と転入(転居)届提出のための来庁予約が可能です。次のような特長があります。

【引越れんらく帳の特長】

  • マイナンバーカード+xIDアプリで本人認証
  • 転出届、電気・ガス・水道・NHKなどの手続き一括対応
  • 転入届の来庁予約も可能

注意事項は以下のとおりです。

【引越れんらく帳の注意事項】

  • 転入・転居届のオンライン提出は不可(来庁が必要)
  • 利用にはマイナンバーカードとxIDアプリの事前準備が必要

引越れんらく帳は、マイナポータルとは異なり、行政手続きだけではなく、電気・ガス・水道のライフラインやインターネット、NHKなどの引っ越し手続きができます。引っ越しに関する面倒な手続きを一括完了できて非常に便利ですので、ぜひご利用ください。ここからは、引越れんらく帳で転出届提出・転入(転居)届提出のための来庁予約する際の手順をご紹介します。なお、転入届は新居の役所に行って提出する必要がありますのでご注意ください。

手続きに必要なもの

  • マイナンバーカード
  • xIDアプリ
  • 新しい住所

iOSアプリAndroidアプリ
xID公式サイト:xID(クロスID)

住民票に記載されている住所と氏名が登録されたマイナンバーカードが必要です。またxIDアプリは申請時の本人確認の際に利用します。あらかじめアプリをインストールして、xIDアカウントを作成しておきましょう。

引越れんらく帳を利用して転出届提出、転入(転居)届提出のための来庁予約する際の手順を紹介します。

手続きの手順

①新規登録とログイン

最初に引越れんらく帳の「新規登録」ページから会員登録をします。Googleアカウント・Yahoo! Japan ID・メールアドレスで登録可能です。メールアドレス入力後、ご登録いただいたメールアドレスに認証メールが届き、メールに記載されているURLをクリックしたら認証完了します。登録済みの方はメールアドレスとパスワードを入力してログインしてください。


新規登録画面

②基本情報の入力

登録後は基本情報の入力をします。氏名・連絡先と今の住まいと新しい住まいの住所・建物情報を入力しましょう。

③引っ越し日の設定と手続きするサービスの選択

引っ越し予定日を設定すると、手続きができるサービスの選択画面が出ます。ここで「転出届・転入(転居)予定連絡」を選択しましょう。電気やガス・水道などライフラインの手続きもまとめて選択可能です。


サービスの選択

④TODOリストに沿ってステップを進める

転出届・転入(転居)予定連絡をクリックすると、申請前の説明事項と用意するものが表示されます。TODOリスト画面に表示されるステップに沿って手続きを進めます。


TODOリスト

⑤xIDアプリで本人認証と登録情報の確認

TODOリストのステップ1「本人認証」で、アカウントを作成したxIDアプリを起動して、本人認証手続きを行います。xIDをダウンロード済みの場合、xIDのアプリが立ち上がります。xIDの案内に従って本人認証手続きを進めてください。
ステップ1が完了したら、TODOリストのステップ2「xID登録情報確認」で表示されている登録情報を確認してください。

<ステップ1画面>
本人認証

<ステップ2画面>
登録情報確認

⑥引っ越し先情報の入力

認証完了した後は、TODOリストステップ3「引越先情報」に進み、引越先情報の入力をしましょう。氏名・住所・連絡先などの基本情報や、引っ越す人の情報が求められます。引っ越す人の情報は選択式で、「住民票に申請者以外の同一世帯の人の記載があるか」「引っ越し元に残る人はいるか」「申請者が世帯主であるかどうか」などから自身に当てはまる項目を選択します。

⑦申請先自治体の確認

TODOリストのステップ4「申請先自治体の確認」で、引越元自治体と引越先自治体が表示されます。表示された自治体が正しいか確認をします。

<ステップ4画面>
申請先自治体

⑧転居予定連絡の入力

TODOリストのステップ5「申請情報」で、「転出情報」を確認します。引越し元住所、引越し予定日(転出日)、引越しする方の情報を確認し、一緒に引越しをされる方の情報も入力します。続いて「転居予定連絡」に進み、引越しに関する情報、引越予定日、来庁予定日、来庁場所、引越しをする方の情報を確認します。

<ステップ5画面>
転居予定連絡の入力

⑨電子署名

続いてTODOリストステップ6「電子署名の準備」です。マイナンバーカードと利用者証明用パスワード(数字4桁)が必要になりますので、お手元にご準備して申請を行ってください。

⑩確認

最後に入力した情報や利用規約に問題がないことを確認して送信します。

これで手続きは完了です。申請完了後は「申請状況確認画面」から利用状況を確認できます。

引越れんらく帳に登録すると、住民票異動の手続きだけでなく、ライフラインやインターネット、NHKなどの住所変更手続きも行えます。下記「引越れんらく帳で手続きする」ボタンから30秒で登録できますので、引っ越し手続きを簡略化させたい方はぜひご確認ください。

【要注意】住民票異動と合わせて必要な手続き

住民票異動時に注意すべきことを2つご紹介します。事前に把握しておきましょう。

注意点①:旧居の住宅ローン控除が受けられなくなる場合がある

住宅ローンを利用してマイホームを購入した方は、「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」という減税措置を受けている方が多いのではないでしょうか。住宅ローン控除は「その物件に住んでいること」が条件です。そのため、引っ越してその物件に住まなくなった=住民票を異動した場合、継続して控除を受けることができません。

ただし、「単身赴任」「転地療養」などのやむを得ない事情で、契約者本人が配偶者や扶養家族と離れて生活する場合に限っては、そのまま控除を受けられます。

転勤に合わせて家族全員で引っ越す場合、転勤中は住宅ローン控除を受けられませんが、旧居に戻ってからは再び受けることができます。控除を受け続ける目的で住所変更しないままでいると、脱税行為になってしまうのでご注意ください。速やかに届出を行いましょう。

注意点②:役所では他の公的手続きもまとめて行う

住民票の異動以外にも、引っ越しに伴う役所手続きはいくつもあります。

  • マイナンバーカードの住所変更
  • 国民年金と国民健康保険証の住所変更
  • 印鑑登録申請

など

マイナンバーカードの住所変更は引っ越しから14日以内に行いましょう。期限までに住所変更していないと失効し、使用できなくなります。

国民年金・国民健康保険の住所変更も、引っ越しから14日以内に行わなくてはなりません。保険証の住所変更を行わないと、医療機関を受診した際の費用が全額自己負担となりますので、忘れずに手続きしましょう。

印鑑登録の住所変更には期限が定められていませんが、住民票異動と同時に行うとスムーズです。転出届提出時に旧居の役所で印鑑登録の抹消手続きを行い、転入届提出時に新居の役所で新たに印鑑登録をします。印鑑と本人確認書類を持参しましょう。

各種引っ越し手続きの詳細は、「引っ越し手続きのやることチェックリスト!タイミングや必要書類などまとめて解説」もご確認ください。

「引越れんらく帳」からオンライン上で手続きする場合は、役所ではできないライフラインの手続きやインターネット事業者などの住所変更も同時に行えます。できるだけ簡単に引っ越し手続きを済ませたい方は、ぜひご利用ください。

【まとめ】住民票の異動は14日以内に必ず済ませよう

普段の生活のなかで、住民票を意識する機会はそう多くないでしょう。そのため、つい「急いで住所変更しないでも大丈夫かな?」と思いがちです。しかし、生活に不便が生じるうえ、罰金が発生する可能性を考えると後回しにはできません。14日間という期間は長いようであっという間なので、なるべく早めに済ませておく心がけが大切です。

引越れんらく帳を利用すれば、住民票の異動やライフラインの手続きなど、引っ越しに関する手続きをオンラインで一括申請できます。期日をアラートしてくれる機能もあるため、手続きのし忘れも防止できる便利なサービスです。住民票の異動をスムーズに済ませるためにも、引越れんらく帳の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

また、これから引越しを控えている人は次の「引っ越しやることリスト」を利用しながら、スケジュールの管理に役立ててください。チェックリストをエクセルとPDFでダウンロードできます。

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