引っ越しするとき本籍はどうすればいいの?変更するメリットは?
引っ越しの際に必要なさまざまな手続き。「引っ越して住所が変わるなら、本籍も変わるっていうこと?」「そもそも住所と本籍って違うものなの?」など、混乱してしまう人も多いでしょう。本記事では引っ越しするときの本籍の取り扱いや、変更するための手続きをパターン別に詳しく説明します。
また、本籍の変更に限らず大変な引っ越しをスムーズに、間違いなく進めるためのお役立ち情報もご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
◆引っ越し時、運転免許証の住所変更に必要な書類は?手続きの流れや知っておきたいポイントを解説
引っ越しの際、住所と一緒に本籍も変更できる?
引っ越しをすると、住所がかわります。似たようなものとして、本籍や戸籍を思い浮かべる人もいるかもしれません。まずはこれらの違いをきちんと理解しましょう。
本籍とは?
婚姻届や転籍届を提出する際、本籍として届け出た日本国内のいずれかの場所のこと。
本籍を管轄する役所が戸籍を管理しています。
本籍・戸籍・住所の違い
本籍の意味だけを聞いても、なかなかイメージできない人も多いでしょう。
ここでは、本籍と戸籍、住所の違いをわかりやすく説明します。
まず、本籍と住所は場所を指し、戸籍はそうしたものが記載された書類を指します。
本籍
戸籍を置く場所のことで、現住所と同じでも異なる場所でもOKです。
戸籍
配偶者関係や父母との続柄を記録する書類のこと。夫婦を1つの単位として編製されています。未婚の人は親の戸籍に入っており、結婚するとその夫婦で新たに戸籍が編製され、親の戸籍からは離脱します。
住所
現在住んでいる場所のこと。住所を管轄する地域の役所が住民票を管理しています。
引っ越し時に本籍を変更する必要性
本籍は現住所と同じでなくても良いため、引っ越したからといって変更は必須とされていません。また、たとえ本籍に指定した場所から実家がなくなったとしても、本籍を変更する必要もありません。もしも本籍を変更する場合は、「転籍」「分籍」などの手続きを踏みます。
引っ越しをしたら本籍は変更しなくても、住所変更の手続きは必須で、市区町村役場に届出を提出しなければなりません。
同一市区町村内の引っ越しの場合は「転居届」を、異なる場合は旧住所には「転出届」を出しましょう。また引っ越しから14日以内に、新住所を管轄する役所に「転入届」を提出する必要があります。
◆転出届の提出はいつからいつまで?引っ越し後でも大丈夫?
◆転入届は引っ越し前に提出できる?提出はいつからいつまで?
◆引っ越し後はマイナンバーカードの変更手続きが必要!手順や期限を解説
引っ越しでは、転出届・転入届の提出に加え、ライフラインやNHKの住所変更など、さまざまな手続きが必要です。 引越れんらく帳なら、転出届の提出や転入(転居)届提出のための来庁予約だけでなく、電気・ガス・水道などのライフラインの使用停止・開始、NHKの住所変更などをオンラインで手続きできます。複数の手続きを一括で申請できるほか、手続き漏れ防止のアラート機能も提供しています。引っ越しの際は、ぜひ引越れんらく帳をご活用ください。
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本籍を変更するメリット・デメリット
変更してもしなくても問題ない本籍ですが、その判断のポイントは一体どこにあるのでしょうか。本籍を変更するメリットとデメリットを見ていきます。
メリット
住所を本籍にすると戸籍を取得しやすい
パスポートの取得や婚姻、遺産相続の手続きなどに必要な戸籍謄本や戸籍抄本は、本籍の役所の窓口で発行しているため、本籍地が住んでいる場所と同じだと何かと便利でしょう。遠方の場合は、近くの役所で郵送による取り寄せを請求することもできます。
好きな場所を本籍にできる
本籍は任意で決められるため、日本国内であれば、実際に住んでいない場所を本籍にしても良いのです。例えば、皇居や東京タワー、大阪城、甲子園球場の住所などを本籍にしている人もいます。夫婦の思い出の場所を本籍にすることもできるでしょう。
新しい戸籍に離婚歴を記載しなくて済む
離婚とは、同一の戸籍だった夫婦が別々になることです。戸籍から除外された場合は「結婚前の戸籍に戻る方法(復籍)」もしくは「新しく戸籍を作る方法」のどちらかを選びます。
後者の場合は、離婚歴の情報は引き継がなくても良いです。ただし離婚歴自体は消せないため、例えば再婚相手が前の戸籍を調べれば、離婚歴を知られる可能性もあります。
デメリット
遺産相続に手間がかかる
本籍を変更した人が死亡した場合、生前のすべての戸籍が必要になります。遺族が変更前の戸籍謄本(もしくは除籍謄本)をすべて取り寄せる必要があるので、引っ越しのたびに本籍を変更すると、相続手続きが煩雑になってしまうでしょう。
変更手続きは複雑だが、本籍を利用する機会は少ない
手間をかけて本籍を変更したとしても、パスポートの取得や婚姻、遺産相続、転籍したい場合など、戸籍謄本や戸籍抄本が必要な機会はそれほど多くありません。ちなみに、運転免許証の取得に戸籍は不要です。
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本籍を変更する手続きの流れ
メリットとデメリットを比較したうえで、本籍を変更すると決めた場合の手続きの流れをパターン別にご紹介します。
結婚する場合
婚姻届を提出することで、親の戸籍からは自動的に離脱し、新たな戸籍が作られます。婚姻届に「新たな本籍」の欄があるので、本籍とする場所を記入しましょう。このとき、新居の住所や思い出の場所、夫婦どちらかの実家などを選ぶ人が多いようです。
離婚する場合
「婚姻前の氏にもどる者の本籍」の記入欄があるので、本籍を変更したい場合は「新しい戸籍をつくる」にチェックを入れ、新たな本籍を記入しましょう。空欄にしておくと、自動的に婚姻前の戸籍に戻ります(復籍)。
ちなみに戸籍の筆頭者は新しい戸籍を作ることができないので、婚姻時に夫が戸籍筆頭者となっていた場合、夫は離婚しても新しい戸籍を作れません。
意図的に本籍を変更したい場合
転籍:戸籍謄本に掲載されている全員の本籍が変更になる
<必要になるもの>
転籍届、戸籍謄本、本人確認書類、印鑑
転籍届には、戸籍の筆頭者と配偶者の署名と押印が必要です。
分籍:新しい戸籍を作り、個人の本籍を変更する
戸籍の筆頭者と配偶者以外で20歳以上の成年に達していれば可能
<必要になるもの>
分籍届、戸籍謄本、本人確認書類、印鑑
分籍をしても親子関係、身分関係に変更はありませんが、元の戸籍に戻ることはできないので注意が必要です。また、未成年の分籍は認められていません。
場合によって、ここで挙げた以外のものの提出を求められる場合もあります。必ず各市区町村の情報をチェックするようにしましょう。
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引っ越し時の本籍変更は自由!手続きは慌てず間違いないように
本籍とは何かということや、引っ越しの際に手続きについてご説明しました。今回ご紹介したメリットやデメリットを考えて、変更するかどうか決めましょう。
また、引っ越しの際には本籍の他にもいろいろな手続きが必要となります。必須である手続きの抜け漏れがないよう、進捗管理に便利なサービス「引越れんらく帳」をお役立てください。
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