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引っ越し時にパスポートの住所変更は必要?手続き必要なケースと申請方法を解説

引っ越し時にパスポートの住所変更は必要?手続き必要なケースと申請方法を解説

引っ越しをすると、公共料金や住民票などの住所変更手続きが必要になりますが、パスポートも住所変更しなければならないのでしょうか。パスポートは身分証明書として使われる重要な書類です。国内では基本的に使う機会が少ないものの、常に正しい情報を記載しておきたいですよね。ここでは、転居にともないパスポートの住所変更手続きが必要なのか、また手続き方法について詳しくご紹介します。

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引っ越し時にパスポートの住所変更は必要?

通常の引っ越しで現住所だけが変わったときと、結婚などにより本籍の住所が大きく変わった場合とでは、届出の方法が異なります。それぞれのケースを見てみましょう。

◆引っ越しするとき本籍はどうすればいいの?変更するメリットは?

住所変更のみは手続き不要

パスポートは、通常の引っ越しで住所が変わっても、役所の窓口などでの特別な手続きや申請は不要です。住所を変更したいときは、所持人記入欄の旧住所を二重線で消して、手書きで修正するだけです。このとき、修正液や修正テープは使わないように注意しましょう。

氏名や本籍が変更になった場合は申請が必要

次のどれかに当てはまる場合は、パスポートの申請手続きが必要です。

  • 結婚や養子縁組などにより、氏名に変更があったとき
  • 本籍地の都道府県名に変更があったとき
  • 国際結婚等で、外国の氏名などを別名として追記、または削除するとき

婚姻届の提出により本籍地住所が変わっても、同一都道府県内であれば住所に関する手続きは不要になります。本籍地が他都道府県に変わった場合は、記載事項変更の申請をしなければなりません。その際、次の2通りからどちらかを選択します。

  • ① 記載事項変更旅券を申請する
  • ② 変更後の住所や氏名で、パスポートを新しく申請(訂正新規申請)する

どちらも、申請時のパスポートは失効し、新しいパスポートが交付されるため、旅券番号が変わります。違いは、記載事項変更旅券が申請時パスポートの有効期限を引き継ぐのに対して、訂正新規申請のパスポートは、そこから5年または10年の有効期間が始まるという点です。

なお、パスポートはそのままで、記載事項のみを変更する「訂正申請」は、2014年に廃止されました。それまでに発行されている訂正旅券はそのまま有効ですが、変更内容がICチップおよび機械読み取り部分に反映されていないため、出入国審査や、渡航先での諸手続き時に支障をきたす可能性があります。訂正旅券を持っている場合は、切り替えて新規のパスポート(5年または10年)を申請することができます。

パスポートの住所を変更するときの注意点

パスポートに記載した住所を、自分で書き直すときにも、注意しなければならない点があります。パスポートは重要な公的書類であるため、慎重に取り扱いましょう。

欄外に記載しない

新住所を記入するとき、欄からはみ出ないようにしましょう。パスポートは、所持人記入欄以外、何も書き込んではいけないことになっています。欄外や裏面、違うページに何か書いてあると、海外旅行時のビザ申請や入国審査などで、トラブルになる可能性があります。

複数回の引っ越しなどにより記入スペースがなくなった場合は、次の更新のタイミングを待つのも一つの方法です。有効期限が1年未満になると、切り替え申請ができます。査証欄(ビザ欄)が足りない場合は、「増補」手続きでページ数を増やすこともできますが、所持人記入欄にはそのような制度がありません。任意の欄であるため、旧住所のままでも大きな問題はないでしょう。

有効期限を一緒に確認する

パスポートを紛失しないよう大切にしまい込んでいて、気が付いたら有効期限が切れていたという話は珍しくありません。使用頻度が高くない場合は、住所書き換えの機会に期限も確認しておきましょう。正しい住所を記載していても、有効期限が切れたパスポートは本人確認書類としては使用できませんし、誤って使用した場合でも罰則の対象になることがあります。

また、渡航の際パスポートに6カ月以上の有効期限が残っていないと入国が認められない国も多くあります。旅行の予定があるときで、特に複数国を訪問するプランを考えているような場合は、入国時に必要な残存有効期間をあらかじめ確認しておく必要があります。

パスポートの記載事項変更旅券の申請方法

記載事項の変更が必要になったら、忘れず早めに申請しましょう。申請窓口へ何度も足を運ばなくても良いように、必要書類は十分に確認しておくことが大切です。

パスポートの記載事項変更旅券の手続き方法について、表にまとめました。申請日から交付までは、通常1週間程度、年末年始などを挟むと3週間くらいかかることもあります。渡航の予定がある場合は、日数に余裕を持って申請しましょう。

手続き場所 住民票を登録している自治体のパスポートセンター
必要書類 ・一般旅券発給申請書(記載事項変更用)
・戸籍謄本または戸籍抄本(原本・発行日から6カ月以内)
・パスポートに添付する写真(縦4.5cm×横3.5cm)
・現在所有している有効なパスポート
※代理申請の場合は、申請書に申請者が署名の上、代理人の本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)が必要になる
※通学や単身赴任などで住民票を異動させていない場合は、住民票の写し(原本)を提出することで、居住先の自治体で申請できる場合もある
※住民基本台帳ネットワークシステムの利用を希望しない場合は、住民票の写しが必要になる
手続き期間 特になし
費用 手数料:6,000円
備考 ※代理申請をした場合でも、受け取りは申請者本人に限られる

手数料のうち、4,000円は収入印紙で、残りの2,000円は都道府県収入証紙、または現金で支払います。郵便局などで、あらかじめ収入印紙を用意して行く場合は、注意が必要です。

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パスポートの訂正新規申請方法

パスポートの残存有効期間が短い場合は、変更後の住所や氏名で新しいパスポートを申請すると良いでしょう。新規申請では5年または10年の有効期間から選べます。

訂正新規申請に必要な書類等は、下表の通りです。基本的には記載事項変更旅券のときと同じですが、手数料の金額が変わってきます。

手続き場所 住民票を登録している自治体のパスポートセンター
必要書類 ・一般旅券発給申請書
・戸籍謄本または戸籍抄本(原本・発行日から6カ月以内)
・パスポートに添付する写真(縦4.5cm×横3.5cm)
・現在所有している有効なパスポート
※代理申請の場合は、申請書に申請者が署名の上、代理人の本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)が必要になる
※通学や単身赴任などで住民票を異動させていない場合は、住民票の写し(原本)を提出することで、居住先の自治体で申請できる場合もある
※住民基本台帳ネットワークシステムの利用を希望しない場合は、住民票の写しが必要になる
手続き期間 特になし
費用 手数料:10年間有効(20歳以上のみ)16,000円
5年間有効(12歳以上)  11,000円
5年間有効(12歳未満)   6,000円
備考 ※代理申請をした場合でも、受け取りは申請者本人に限られる

手数料のうち2,000円は、都道府県収入証紙または現金で、残りは収入印紙で支払います。

パスポートの住所変更をする際に必要な写真の規格

パスポートの記載内容を変更するときは、顔写真を用意します。ここでは、変更手続きに必要な写真の規格をご紹介。住所変更と併せて手続きをするなら、事前に下記の決まりをチェックしておきましょう。

パスポート写真の基本規格

外務省ホームページで公表されているパスポート写真の基本規格は、下記の通りです。まずは、箇条書きの内容をチェックして、規格に合う写真を入手してください。

  • 申請者本人のみが映っている
  • 6カ月以内に撮影している
  • 正面、無帽、無背景
  • カラーまたは白黒で撮影されている
  • 鮮明で、焦点が合っている
  • 明るさやコントラストが適切に撮影されている
  • 影がない
  • 顔の縦の長さは、写真縦の70~80%に収まっている
  • 背景と人物の境目がはっきりしている
  • 眼鏡のレンズに光が反射していない
  • 平常の顔貌と著しく異ならない
  • 前髪などにより、目などの顔の器官や輪郭が隠れていない
  • 頭髪を覆っていない
  • 変色していない、傷や汚れがない
  • デジタル写真の場合、ジャギーがない
  • デジタル写真の場合、適切な画質で印刷されている

なお、上記の規格に適していない写真は、受理されず撮り直しを求められる場合があります。パスポートは国際的な身分証明書であり、かつ国によっては写真が顔認証技術に用いられるためです。表情や服装などが平常時の所有者と著しく相違なく、問題なく本人確認できる写真を提出しなければなりません。

たとえば、帽子以外にもヘアアクセサリーで頭部を隠したり、実際の容姿とかけ離れたウィッグを装着したりするのは禁止されています。また、眼鏡をかけて撮影しても構いませんが、色付きのレンズや太いフレームは顔を隠すためNGです。ふちなしの眼鏡で、反射しないように撮影しましょう。

また、デジタル写真を出力するときは、撮影データの画質や印刷の品質にも注意が必要です。画質が原因で乱れが見られる画像や、インクのにじみや印刷の不具合が生じている画像は、パスポート写真として認められません。ノイズのない画像を選び、写真を印刷するときは専用の用紙を使いましょう。

パスポートの写真を用意する際の注意点

頭髪のボリュームが大きい場合も顔の大きさを確保する

頭髪のボリュームが大きい方は、頭髪を含めた頭部全体を画角に入れようとすると、顔面が規格よりも小さく写ってしまいます。この場合は頭髪部分をトリミングするのが適当です。両目の中心から頭頂までが画角に入り、顔の縦が34±2ミリメートルの寸法になるよう調整しましょう。頭髪のボリュームの影響で、顔の縦が規格より著しく小さいものは、パスポート写真として認められないためご注意ください。

柄のある背景は避ける

背景に柄があるものはパスポート写真として使用できません。背景は無地の淡い色で、かつ人物の顔や髪との境目がはっきりと見えるものをお選びください。たとえ無地の淡い色でも、人物との境目が曖昧に見える色は適していません。たとえば、髪や服の色が白に近い方は、白色の背景を避けたほうが良いでしょう。

カラーコンタクトレンズや輪郭の矯正レンズは装着しない

パスポート写真の撮影では、カラーコンタクトレンズや輪郭の矯正レンズの装着が禁止されています。瞳の色や輪郭の線を変えるようなレンズは使用を控えましょう。また、これらのレンズを装着しない場合も、フラッシュの反射で瞳の色が著しく変化した写真は、パスポート写真に適さないためお気をつけください。

パスポートの住所変更に関するよくある質問

パスポートの住所変更に関して、よくある質問とその回答をご紹介します。引っ越しや本籍地の合併など、さまざまな事情で住所が変わったら、スムーズに手続きをするためにお役立てください。

パスポートの最後のページに記入した住所から引っ越したが、変更手続きは必要ですか?

パスポートの最終ページには、「所持人記入欄」があります。こちらの欄については、国民が任意で記入するスペースであるため、公的な住所変更の手続きは不要です。引っ越しをしたら古い住所地を二重線で消したうえで、新しい住所をご記入ください。ただし、たとえ新たな住所の記入でスペースがあふれる場合でも、査証欄やほかのページに書き込みをするのは避けましょう。

本籍の地名が合併により名称が変わりました。手続きは必要ですか?

お住まいの市区町村の合併をはじめとして、特別な事情で本籍の地名が変わることがあります。この場合もパスポートの住所変更の手続きは不要です。上記と同様に、手書きで「所持人記入欄」の住所を書き換えて構いません。古い地名を二重線で消し、新しい地名を記入しましょう。

引っ越しの面倒な手続きを、「引越れんらく帳」がお手伝い

今回は、パスポートの住所変更関連の手続きについてお伝えしました。結婚した場合には記載事項の変更が必要です。手続きをせずに転籍した場合、パスポートと戸籍上の人物が同一であるか確認するため、除籍謄本が必要になることもあります。通常、引っ越しでは手続きの手間がかかります。結婚にともない苗字が変わると、より複雑な手続きが必要となるためお気をつけください。

そんな引っ越し前後の煩わしい手続きをサポートする、便利なWebサービスがあります。「引越れんらく帳」は、引っ越し前後にやるべき手続き関係をリストアップし、ひと目でわかるようにスケジュール化できるため、手続きの抜け漏れを防げます。あらかじめ必要な情報を登録しておけば、公共料金の住所変更も一括申請できて便利です。24時間対応の会員登録(無料)をするだけで、どなたでもすぐに利用できます。

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