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賃貸物件でインターネットを使うには?ネット「完備」と「対応」の違いも解説

賃貸物件でインターネットを使うには?ネット「完備」と「対応」の違いも解説

引っ越しに伴い、悩みの種となるのがインターネット契約です。アパートやマンションなどの賃貸物件は、建物によりインターネット環境が異なります。プロバイダや光回線との契約や、引き込み工事の必要性などが分からないという方もいるでしょう。

この記事では、インターネット契約の基礎知識から、手続き方法、物件探しのときによく見かける「インターネット完備物件」と「インターネット対応物件」の違いなどを解説。また、インターネット環境が変わり、通信速度が遅くなった場合の原因と解決策もご紹介します。これから引っ越しを控えている方は、ぜひ参考にしてください。

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インターネット契約の基礎知識

引っ越しの前に、現在お使いのインターネット契約についてご確認ください。住まいのインターネット環境やほかの選択肢をチェックし、今後の契約について検討しましょう。

回線業者・プロパイダとの契約が必要

インターネット契約をするときは、一般的に「回線業者」と「プロバイダ(ISP)」という2種類の業者との契約が必要です。回線業者とは、インターネットに使用する回線を提供する業者を指します。一方で、プロバイダはインターネットへの接続サービスを提供する業者です。なかには回線業者とプロバイダがセットでサービスを提供するケースもあり、お得な割引料金で契約できることがあります。

インターネット回線の主な種類

光ファイバー(光回線)

光回線とは、高速かつ大容量の通信を実現できる、光ファイバーケーブルを使用したインターネット回線です。現在、インターネットの固定回線の主流となっています。通信速度が速く、かつ安定性が高いのがメリットです。また、モバイル回線と異なり通信制限がないのも魅力といえます。その一方で、ほかの回線よりも料金が高めなのはデメリットでしょう。また、光回線に対応していないエリアや物件も少なくありません。工事が必要な場合は即日での使用ができず、開通までに1~2カ月かかることもあります。

ケーブルテレビ

ケーブルテレビとは、ケーブルを使用して放送を受信する形式のテレビのことです。デジタルチューナーを設置するだけでテレビ番組を視聴でき、さらにはインターネット回線も利用できるようになります。インターネット回線は有線で通信するため安定しており、大量のデータ通信にも対応可能です。ケーブルテレビとインターネットを同時に契約すると、割引が適用されるのもメリットでしょう。ただし、光回線と比べると通信速度が遅く、光回線を単独で契約する場合と比較すると月額料金が高額になるのがデメリットといえます。

ADSL回線

ADSL回線では、電話線を使用してインターネットに接続します。音声通話とは異なる周波数帯域で通信するため、インターネットのデータ通信と音声通話を同時に行えるのが特徴です。主なメリットは、電話線を使用するため、新規の導入でも大規模な工事が不要な点でしょう。また、光回線と比較すると月額料金を安く抑えやすいといえます。ただし、時間帯や接続場所により通信速度が落ちる可能性があるほか、ご自宅までの回線に光ファイバーが使われている場合はサービスの対象外となるのがデメリットです。

Wi-Fiルーター

Wi-Fiルーターは、電子機器を無線でインターネットに接続するのが特徴です。無線であるため、設置すれば通信エリア内の各所でインターネットを利用できるようになります。通信エリア内であればどこでも複数の端末から使える、自由度の高さがメリットといえます。
持ち運びができるモバイルルーターであれば、ご自宅だけでなく外出先からも接続可能です。パソコンやタブレットを出先で使いたいというニーズには最適です。

一方、同時に使用する人数や自宅の間取りなどの条件によって通信速度が落ちることがあるため、導入時の機器の選び方に注意が必要といえます。とくに、オンライン会議・授業などで頻繁に利用したいという場合には、少し心許ない印象も。状況に応じて、固定のインターネット回線と比較検討をしてみましょう。

テザリング

携帯通信会社と契約してモバイル通信が行える端末をお持ちの場合は、テザリングサービスをオプションで選択できます。スマートフォンやタブレットの通信を他の端末とも共有できるようになるため、回線やWi-Fiルーターの契約は不要です。より手軽にインターネット通信が行えます。

ただし、ほとんどの携帯通信会社のプランには通信量の上限が設定されています。リミットを超えると通信速度が大幅に遅くなる、もしくは料金が上がるなどのデメリットもあるため、慎重な利用が求められます。とくに動画サービスは通信量が多くなりがちなので、パソコンやテレビでインターネット動画を観たいという方にはあまり向きません。

賃貸物件のインターネットの引っ越し手続き

賃貸マンションやアパートに住むとき、インターネットの引っ越し手続きの方法や、回線の選び方の注意点をご紹介します。新居で利用できる回線を比較検討し、快適なネット環境を整えましょう。

なお、携帯電話会社が提供している光インターネットを利用されているという場合は、以下で詳細な移転手続き方法をご案内しております。こちらもぜひ参考にしてください。
ドコモ光を引っ越し先で使う方法 
ソフトバンク光を引っ越し先で使う方法 
auひかりを引っ越し先で使う方法 

希望する回線が新居のエリアに対応しているか確認しよう

まずは、希望する回線が新居の環境で利用できるかチェックしましょう。回線が利用できるエリア内にあるかどうか、回線会社に確認します。また、建物が回線に対応しているかどうか、大家さんや管理会社へご確認ください。すでにお使いの回線業者がある場合も、新規契約の場合も、事前に調べておくと安心です。

【継続利用】旧居と同じ回線業者やプロバイダを利用する場合

インターネット契約は建物や部屋ではなく、契約者本人と紐付けられています。そのため、転居する場合は契約を継続したまま、インターネットも一緒に引っ越しすることが可能です。現在の環境に満足しているのであれば、そのまま契約をスライドしてもよいでしょう。手続き自体は各業者に引っ越しの連絡を行うだけです。電話やメールで問い合わせてください。
ただし、回線の移転には工事費用がかかるのが一般的です。また、回線業者やプロバイダの種類によっては、一部の地域でインターネットを継続利用できない場合があります。この際は、別会社への乗り換えが必要になるためご注意ください。

移転時の継続利用にはキャッシュバックや割引サービスなどの特典は基本的にありません。お得な初期費用を目的に、あえて旧居の回線業者と解約して新規契約を選ぶ方もいます。引っ越しでかかる工事費用と比較したうえでご検討ください。
詳しくは、「【継続利用】引っ越し先でも同じインターネット回線/プロバイダを使う場合」をご覧ください。

【新規契約】解約して、別の業者と契約する場合

現在のインターネット契約に不満があったり、新居では現在の業者のサービス対応エリア外だったりする場合は、今の契約を解約し、別の業者と新たにインターネット契約を結ぶ必要があります。

新規のインターネット契約には、キャンペーンやキャッシュバックなどが付帯しているケースが多くみられます。これを目的に業者を乗り換える方も少なくありません。ただし、工事が必要であったり、機器や契約情報の送付が宅配であったりする場合には、インターネット開通までに時間がかかることもあります。そのため、転居先が決まり次第、早めの手続き開始をおすすめします。

同時に、現在の契約の解約も進めましょう。契約条件によっては違約金がかかる可能性もあるので、事前に内容を確認が必要です。また、プロバイダを解約すると、プロバイダから振り分けられていたメールアドレスが使えなくなります。必要な場合は、メールアドレスのみを継続するプランがないかを確認しましょう。
詳しくは「【新規契約】インターネット回線/プロバイダを新たに契約する場合」をご覧ください。

インターネット「対応」と「完備」の違いとは?どちらを選べば良い?

賃貸物件のインターネット環境には、以下のような種類があります。

 環境 契約者 利用開始日 引き込み
工事費
利用料金
インターネット対応物件 入居者 開通工事後 入居者が負担 入居者が負担
光ファイバー(光回線)
対応物件
入居者 開通工事後 入居者が負担 入居者が負担
ケーブルテレビインターネット対応物件 入居者またはオーナー ケーブルテレビ業者へとの契約後に利用可能なことが多い 入居者が負担または不要 入居者が負担
※無料の場合もあり
インターネット完備物件 入居者またはオーナー 入居日から利用可能なことが多い 不要 入居者が負担
※無料の場合もあり
インターネット無料物件 オーナー 入居日から利用可能なことが多い 不要 無料

ここでは、それぞれの違いを簡単にご紹介します。入居予定の物件がどれに相当するか、オーナーや管理会社に問い合わせておきましょう。
なお、利用開始日や工事費・利用費の負担額は、物件や契約内容により異なる場合があるため、詳細は不動産会社や管理会社、オーナー等に確認してください。

インターネット対応物件とは?

「インターネット対応物件」とは、マンションやアパートの共有部分まで回線工事が済んでいる物件のことです。ただし、そのままの状態ではインターネットを利用できません。回線業者やプロバイダへの申し込みに加え、自分の部屋まで回線を引き込む工事も必要です。なお、工事の申し込みおよび費用支払いは入居者がおこないます。
手間はかかるものの、新居のエリアに対応した回線事業者・プロバイダを自分で選べるという点はメリットです。なお、申し込みや工事が完了するまではインターネットが使えないので、早めに手配しましょう。

インターネット完備物件とは?

「インターネット完備物件」とは、大家さんが回線業者・プロバイダと契約を結び、かつ部屋までの回線引き込み工事が完了している物件を指します。入居者自身が契約や工事を申し込む必要がなく、入居後にすぐインターネットを利用できる点がメリットです。また、部屋への引き込み工事費用がかからないのも魅力でしょう。
ただし、インターネットの通信速度には注意が必要です。大家さんが選んだプラン次第では、入居者自身が必要とする通信速度が出ない可能性があります。インターネットを快適に使うためには、5Mbps以上の速度があることを確認しておくとよいでしょう。また、Wi-Fiを利用する場合には、無線ルーターの準備なども必要になります。

光ファイバー(光回線)対応物件とは?

「光ファイバー(光回線)対応物件」とは、「インターネット対応物件」と同じく、共有部分まで光回線の工事が完了している物件を指します。利用には回線業者・プロバイダとの契約および、部屋までの回線引き込み工事が必要です。
光ファイバー(光回線)はADSLなどのインターネット回線に比べ、高速・大容量通信がおこなえます。インターネットをよく使う方や、動画視聴やオンラインゲームをする方などにおすすめです。引っ越し後にインターネットを快適に使いたいとお考えの方は、光ファイバー(光回線)対応物件かどうかを確認しておきましょう。

ケーブルテレビインターネット対応物件とは?

ケーブルテレビ業者のなかには、インターネット回線および接続サービスを提供しているところがあります。「ケーブルテレビインターネット対応物件」とは、こうしたケーブルテレビの導入工事が完了している物件を指します。大家さんがケーブルテレビ業者と一括契約をしている物件もあるようです。この場合、ケーブルテレビ業者へ連絡をするだけで、すぐにインターネットが利用できます。

インターネット無料物件とは?

「インターネット無料物件」とは、「インターネット完備物件」や「ケーブルテレビインターネット対応物件」のなかで、インターネット料金が無料の物件を指します。

入居後すぐにインターネットが使えるだけでなく、利用料金もかからない点が大きなメリットです。ただし、無料だからと言って必ずしもお得とは言い切れません。インターネット料金は家賃や管理費に上乗せになっているケースもあり、実質は支払いが発生している状況もありえます。とはいえ、集合住宅での一括契約による割引が適用されていることも多いので、単身で契約するよりは割安になることがほとんどでしょう。

また、入居後すぐにインターネットを使えるメリットはあるものの、通信速度が非常に遅い場合もあることに注意しましょう。Wi-Fiを利用する場合は、ルーターの準備も必要となります。

賃貸物件のインターネットの速度が遅くなる主な原因と対処法

引っ越し後、賃貸物件でインターネットを利用すると速度が遅いと感じたことがないでしょうか。ここでは、集合住宅の回線速度が遅くなる主な原因や、対処法についてお伝えします。

速度が遅くなる主な原因

集合住宅内の回線の利用者が多い場合

集合住宅でインターネットの速度が遅くなる主な原因として、回線の混雑が挙げられます。アパートやマンション内で大人数が同時にインターネットを利用すると、速度が落ちることがあるのです。特に、多くの住人が帰宅している夜の時間帯は、インターネットの利用者が多く混雑しやすい傾向にあります。

遅い配線方式を使用している

基本的に高速で通信ができる光回線でも、配線方法の違いにより速度が変わることがあります。もっとも速いのは、共有部分から各部屋まで光回線が直接繋がっている光配線方式です。共有部分だけでなく各部屋まで光回線を使用しているため、インターネットの速度が速い傾向にあります。

一方で、LAN配線方式では共有部分まで光回線ですが、各部屋まではLANケーブルで接続されています。各部屋に繋がっているLANケーブルは、規格(カテゴリ)によって通信速度に差が出ることがあります。そのため、混雑時は光配線方式よりも遅くなりやすいのです。

共有部分まで光回線で、各部屋までは電話回線(メタルケーブル)で接続されているVDSL方式もあります。VDSL方式は電波干渉を受けやすく、ほかの配線方式よりも速度が遅くなりやすいため注意が必要です。お住まいの物件の配線方式について確認してみましょう。

速度が遅い場合の対処法

IPv6対応のプロバイダを乗り換える

現在お使いのプロバイダから、IPv6接続(IPoE方式)やV6プラス接続に対応するプロバイダに乗り換える方法があります。IPv6接続は次世代ネットワークと呼ばれ、近年ではまだ利用者が少ない方式です。V6プラス接続は次世代の通信技術で、混雑しにくいポイントからインターネットに接続する仕組みが採用されています。これらの接続方法で混雑を回避しやすくなると、通信速度を改善できる可能性があります。

なお、IPv6を利用するためには光回線の利用が必須です。また、IPv6プランへの加入も必要になります。加えて、IPv6に対応した通信機器(モデムやルーター)を用意しなくてはなりません。プランの詳細や対応機種などの詳細は直接プロバイダへ確認してください。

新たにWi-Fiルーターを用意する

混雑時に動画視聴やオンラインゲームがしにくくなるケースでは、新たにホームルーターを用意する対処法がおすすめです。その際は、高速通信が可能なWi-Fiルーターをお選びください。同時に接続できる端末の台数や、データの転送速度などの性能も確認しましょう。部屋に電波が届きにくいときは、ほかの電波の干渉を避ける機能や、電波を遠くまで届ける機能が搭載された製品を選ぶ方法もあります。

賃貸物件を住み替える

賃貸物件の条件が問題である場合、光配線方式の物件を選ぶと良いでしょう。配線方式は回線会社や不動産会社で確認できる場合が多いため、事前に設備の詳細について問い合わせておくと安心です。特にインターネット無料の物件は、入居後すぐにインターネットを使えるメリットがある一方で、自分で回線業者やプロバイダを選ぶことができません。引っ越し先は慎重にご検討ください。

インターネットの住所変更手続きも行える「引越れんらく帳」

ご自宅からスムーズに情報へアクセスするためにはネット環境を整える必要があります。引っ越し後、新居で快適に過ごすためにも、インターネット関連の手続きは抜け漏れなく着実に済ませましょう。なお引っ越しの前後には、インターネットの住所変更のほかにも、各種サービスで手続きが必要です。最後に、住所変更手続きを一括で行える便利なサービス「引越れんらく帳」をご紹介します。

「引越れんらく帳」の特徴

引っ越しの準備では、インターネット関連の住所変更手続きをはじめとして、やるべきことが数多くあります。手続きに抜け漏れが生じたり、進捗管理に手間取ったりすることもあるでしょう。「引越れんらく帳」は、そんな引っ越しにともなう住所変更手続きを一括で行えるサービスです。インターネットプロバイダだけでなく、固定電話・宅配業者・新聞・クレジットカードなど、各業者にまとめて住所変更の連絡ができるようになります。

たとえば、どのご家庭でもお使いのライフラインである電気・ガス・水道は、「引越れんらく帳」からまとめて停止・開始の手続きを行えます。会員登録時に現住所と引っ越し先の住所、引っ越しのスケジュールを入力するだけで利用が可能です。会員登録は無料。引っ越しの手続きの負担を減らし、必要な手続きを抜け漏れなく行うために、ぜひ「引越れんらく帳」のサービスをお役立てください。

「引越れんらく帳」を活用するメリット

各業者の住所変更手続きを個別に行うと、氏名や旧居・新居の住所など、同じ内容の個人情報を何度も入力する必要があります。業者ごとにフォーマットは異なりますし、連絡漏れも考えられるでしょう。「引越れんらく帳」に登録すれば、たった一度情報を入力するだけで手間が省け、手続きのわずらわしさがありません。

また、「引越れんらく帳」のサービスは24時間対応。日中に忙しくて時間がない方でも、便利にご利用いただけます。電話で手続きを行う場合は、業者の受付時間に合わせて連絡を入れなければなりません。空き時間を活用して、いつでもどこでも手続きを進められる点も「引越れんらく帳」のメリットです。

さらに、「引越れんらく帳」には手続きの進捗を管理する機能があります。各業者の手続きの進行状況がわかりやすく、アラート機能を活用すれば手続きの抜け漏れの予防につながります。サービス画面上で申し込み後の状況確認ができるため、申請済みの業者についてチェックでき安心です。
今後に引っ越しを控えている方は、インターネットプロバイダにもまとめて住所変更の連絡ができる「引越れんらく帳」への登録をご検討ください。

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