
インターネットの引っ越し(移転)手続きをパターン別にわかりやすく解説!
引っ越し先でインターネットを利用するには、契約内容を変更するための手続きが必要となります。手続きをする時期は引っ越し予定日の1カ月~1カ月半ほど前が目安です。
手続きのタイミングが遅れると、新居でインターネットが利用できないだけでなく、余計な手数料が発生する場合もあります。
記事では、引っ越しにともなうインターネットの移転手続きについて解説します。さらに、固定電話やスマホ、ひかりTVなどの関連通信サービスの利用状況に合わせた、適切なインターネットサービスの選び方もご紹介します。引っ越しを予定している方はぜひ参考にしてください。
この記事の目次
◆固定電話の引っ越し(移転)をわかりやすく解説!回線工事は必要?
◆賃貸物件を解約する流れと注意点│トラブルなく退去するには?
◆駐車場の解約手続き|引っ越しの意思はいつまでに伝えるべき?
インターネットの引っ越し(移転)手続き概要
引っ越し先でインターネットを利用するには、移転手続きとして回線事業者およびプロバイダとの契約が必要となります。また、旧居で使用していた機器の撤去や、新居での開通工事が発生することが一般的です。ただし、一部の集合住宅などでは、手続きや工事なしでインターネットを利用できます。

回線事業者とは、インターネットを利用するための回線を提供している会社です。一方、プロバイダは回線に接続し、インターネットを利用するためのサービスを提供しています。回線事業者とプロバイダの両方と契約することで、インターネットの利用が可能になります。
引っ越しにともなうインターネットの移転手続きには、以下のような5つのパターンがあります。
1.現在契約中のインターネット回線・プロバイダを継続利用する
旧居で契約していたインターネット回線・プロバイダが引っ越し先の地域でも使える場合などに、移転手続きを行い継続して利用する場合。
2.インターネット回線・プロバイダを解約する
新居に既存のインターネット回線が引かれている場合などに、旧居で契約していたインターネット回線・プロバイダを解約する場合。
3.インターネット回線・プロバイダを新規契約する
旧居でインターネットを利用していない場合や、別のインターネット回線・プロバイダから乗り換える際などに、新規契約を行う場合。
4.無線Wi-Fiを利用する
新居にインターネット回線を引かずに、持ち運んで利用できる無線Wi-Fiを利用する場合。
5.スマホのテザリングを利用する
スマホのテザリング機能を使用してインターネットに接続する場合。
この記事で詳しく解説するのは1~3のパターンです。引っ越し前後のインターネット利用環境に合わせて、当てはまるパターンを参考にしてください。
なお、インターネットの引っ越し手続きは、電話やインターネットのほか、店舗がある場合は店舗の窓口、家電量販店などの正規代理店から申し込みが可能です。お得なキャンペーンを実施している場合もあるため、申し込み前にチェックしましょう。
また、「引越れんらく帳」なら、ライフラインや通信などの引っ越し手続きが一括で行えます。

インターネットの引っ越し手続きは工事期間に注意
インターネットの引っ越し手続きにかかる期間は、新居の環境によって異なります。そのため、インターネットの利用開始までにかかる期間をあらかじめ把握しておくことが重要です。
ここでは、インターネット回線の工事日決定から工事当日までにかかる期間について解説します。

- 集合住宅に引っ越す場合の工事期間
アパートやマンションなどの集合住宅に引っ越す場合、工事完了までにかかる期間は最短2週間~1カ月程度です。集合住宅では共有部分まで回線が引かれているケースが多いため、短期間で工事が完了します。
ただし、集合住宅に引かれている回線を使用せず、新規に回線を設置する場合は工事期間が長くなるためご注意ください。
- 戸建てに引っ越す場合の工事期間
戸建てに引っ越す場合、工事完了までにかかる期間は最短1カ月~1カ月半程度です。新築と中古で工事期間の差がある場合もあるようです。また工事業者が忙しい引っ越しシーズンなどは2カ月程度かかる場合もあります。
戸建てにインターネット回線を開通させるときは、屋外から物件まで回線をつなぐ工事と、室内に回線を引き込む工事の両方が必要です。そのため、集合住宅に引っ越す場合よりも工事完了までの期間が長くなりますのでご注意ください。
集合住宅、戸建てのどちらのケースでも、引っ越しが決まったらインターネット移転手続きを早めに申し込みましょう。
しかし、インターネット回線の開通工事が入居日に間に合わないという場合もあるでしょう。そんなときは、Wi-Fiのレンタルサービスやスマホのテザリング機能の活用を検討してみてください。

【継続利用】引っ越し先でも同じインターネット回線/プロバイダを使う場合
ここからは、旧居で使用していたインターネット回線・プロバイダを引っ越し先で継続利用するパターンについて解説します。
新居でインターネットを継続利用したい場合、利用中のインターネット回線・プロバイダを新居の地域でも利用できるか確認しましょう。対応地域はサービス提供会社のホームページや、電話から確認が可能です。インターネット回線を提供する会社やプロバイダの種類によっては、一部の地域で継続利用ができません。
新居の地域でインターネットの継続利用ができない場合は、利用中のインターネット回線・プロバイダを解約した上で、別の会社で新規契約をする方法があります。また、固定の回線を引かずに、無線Wi-Fiのサービスを利用することも、インターネットに接続する方法の1つです。
インターネットを継続利用する場合の手続きには、次のような情報が必要となります。
- 現在の契約に関する情報が記載された書類
- 旧居および新居での工事希望日
新居が集合住宅か戸建てかによって手続き期間は異なりますが、目安として引っ越しの1カ月半くらい前に申し込んでおくとスムーズな手続きが可能です。
インターネットを継続利用する場合にかかる移転費用には、手数料や工事費が含まれます。手数料は回線事業者によって異なり、1,000円から3,000円かかることが一般的です。工事費は、新居が集合住宅の場合は7,500円から30,000円程度、戸建ての場合は9,000円から37,500円程度が目安となります。

【解約】引っ越しでインターネットを解約する場合
引っ越しでインターネットを解約する場合、回線事業者およびプロバイダの解約手続きが必要です。回線事業者とプロバイダが同じ会社なら、解約手続きは1度で済みます。回線事業者とプロバイダが別の場合は、それぞれの窓口で解約手続きを行いましょう。
インターネットの解約は、サービス提供会社のホームページや電話から申し込めます。ただし、会社によっては解約を電話でのみ受け付けていることもあるため、ご確認ください。解約手続きに必要な情報は、現在の契約に関する情報や契約者の電話番号、契約書類に記載されているお客様番号などです。
インターネット接続機器をプロバイダからレンタルしていれば、返却手続きが必要になる場合があります。また、集合住宅に個別の回線を設置しているケースでは、回線の撤去工事を行うべきかどうかを業者に確認しましょう。
解約手続きを行うタイミングは早めの方がスムーズです。ただし、契約内容によっては解約時に違約金が発生する場合があります。

違約金や契約解除料は発生する?余計な費用を発生させないコツも
違約金や契約解除料は、業者が定める更新月以外のタイミングで解約した場合に発生することが一般的です。
多くのインターネット利用プランでは、2年ごとや3年ごとなどの期間で契約が自動更新されます。通常、契約が更新されるタイミングに合わせて解約すれば違約金がかかりません。そのため、解約月を調整して手続きを行えば、余計な出費を抑えることが可能です。
たとえば、更新月まであと1カ月~2カ月というタイミングで引っ越しする場合は、更新月まで待ってから解約した方がお得になる可能性があります。
ただし、更新月まで待つ間にもインターネットの月額利用料は発生するため、違約金を支払う場合と比較した上で解約のタイミングを決めましょう。なお、解約日までの利用料は日割り計算されず、月額料金となることが一般的です。
このほか、インターネットの解約時にかかる費用には、回線開通工事費の残債や、回線の撤去工事費用などがあります。解約手続きにかかる実際の費用は、契約している回線事業者やプロバイダなどにご確認ください。

【新規契約】インターネット回線/プロバイダを新たに契約する場合
新規契約をする場合、まずはインターネット回線・プロバイダが新居の地域に対応しているか確認しましょう。非対応であれば、新居のエリアで利用できるインターネット回線・プロバイダを探してください。
新規契約の手続きは、各事業者のホームページや電話などから申し込みができます。インターネットを新規契約する場合、次のような情報が必要です。
- 新居の住所や契約者の個人情報
- 新居での希望工事日
新居に引っ越したあと、すぐインターネットを利用したい場合は、引っ越し予定日の1カ月から2カ月ほど前を目安に申し込みをしましょう。特に、3月~4月、9月~10月の引っ越しシーズンなどは契約窓口が込み合う場合があるため、早めの手続きがおすすめです。
インターネットを新規契約する場合にかかる初期費用には、手数料や工事費が含まれます。
新規契約の手数料は回線事業者によって異なり、1,000円から3,000円かかることが一般的です。新規契約時のキャンペーンなどで手数料が無料となるケースもあります。
工事費の目安は、集合住宅の場合は7,500円から30,000円程度、戸建ての場合は9,000円から37,500円程度です。戸建ての場合は新たに回線を引く工事が必要となるため、すでに共有部分まで回線が引かれている集合住宅と比較して工事費が高くなります。
インターネット回線・プロバイダを選ぶポイント
インターネット回線やプロバイダには複数の種類があります。
2015年以降は回線とプロバイダが一体化したサービスが増加しており、プロバイダが指定されている場合は自分で選ぶ必要はありません。もし自分で選ぶ必要がある場合は、月額料金や通信速度、割引キャンペーンの内容を比較しましょう。
インターネット回線を選ぶ際は、以下のポイントなどを比較して利用目的や自分にあった事業者を探すとよいでしょう。
- 利用スタイル(有線、無線)
- 通信の安定性・速度
- 月額料金・初期費用等
- 回線工事の有無(使用開始までの期間に影響が出る場合も)
- 初期費用やキャッシュバックキャンペーンの内容
- オプションの充実度(固定電話やテレビとセット利用でお得になる等)
プロバイダを自分で選ぶ必要があれば、月額料金や通信速度、割引キャンペーンの内容を比較してください。
インターネット回線の種類と特徴
インターネット回線の種類は、有線と無線に大別されます。また、スマホのテザリング機能を使ってインターネットを利用することも可能です。以下でそれぞれのタイプの種類や特徴を解説します。
有線タイプの種類や特徴
有線タイプのインターネット回線は、部屋に設置した固定回線の設備と、パソコンなどの機器をLANケーブルでつないで使用します。
有線タイプの主流は、光回線やケーブルテレビ(CATV)などです。かつて主流であったADSLは、光回線が普及したことで新規申し込みの受付を終了しています。
光回線は、光ファイバーというケーブルを用いたインターネット回線です。光回線の主な事業者は、フレッツ光やドコモ光、auひかり、SoftBank光、NURO光などがあります。
昨今は在宅ワークで働く人が増えているため、集合住宅では回線が混み合い通信が遅くなる場合があります。そんなとき、IPv6というオプションサービスを利用すればスムーズな通信が可能です。利用するには、光回線への申し込み及びプロバイダとの契約が必要です。
ケーブルテレビは、地域のケーブルテレビ回線を利用してインターネットに接続するものです。ケーブルテレビの事業者としては、ジェイコムが有名です。
光回線が向いているユーザーやメリット、デメリットなどは下表のとおりです。
有線タイプ:光回線
向いているユーザー | ・主に自宅などでインターネットを利用する人 |
通信の安定性・速度 | ◎(高速通信が可能で、通信品質も安定) |
回線工事の要否 | 必要 |
月額料金・初期費用等 | 戸建てタイプは、マンションタイプや、モバイルWi-Fiより月額料金が高い場合が多い。また、工事費等の初期費用がかかる(キャンペーンの利用により費用を抑えられる場合も)。 |
メリット | ・通信制限がない ・高速通信が可能で、品質も安定している |
デメリット | ・外出先などへ持ち運びできない ・初期費用が高い |
ケーブルテレビが向いているユーザーやメリット、デメリットなどは下表のとおりです。
有線タイプ:ケーブルテレビ
向いているユーザー | ・主に自宅などでインターネットを利用する人 ・ケーブルテレビを契約している人 |
通信の安定性・速度 | ◎(光回線にはやや劣るものの、高速通信が可能で、通信品質も安定) |
回線工事の要否 | 必要 |
月額料金・初期費用等 | ケーブルテレビに加入している場合、オプションとして利用できるためお得。工事費等の初期費用がかかる(キャンペーンの利用により費用を抑えられる場合も)。 |
メリット | ・通信制限がない ・光回線やADSLが使用できない物件でも利用可能 |
デメリット | ・外出先などへ持ち運びできない ・ケーブルテレビに加入せず、インターネットのみ利用する場合は月額料金が割高になる |
無線タイプの種類や特徴
無線タイプのインターネット回線は、部屋に設置した回線にWi-Fiルーターの機能で接続するものや、持ち運びができるモバイルルーターを使用するものがあります。主な事業者は、WiMAXやポケットWi-Fi、ソフトバンクエアーなどです。
無線タイプのモバイルWi-Fiが向いているユーザーや、メリット、デメリットなどは下表のとおりです。
無線タイプ:モバイルWi-Fi
向いているユーザー | ・外出先での利用が多い人 ・引っ越し後、開通工事なしですぐにインターネットを利用したい人 |
通信の安定性・速度 | 〇(固定回線と比較すると、通信速度や通信品質が劣る) |
回線工事の要否 | 不要 |
月額料金・初期費用等 | 初期費用がかからず、月額料金が比較的安い(4,000円程度~) |
メリット | ・自宅や外出先で利用できる ・契約内容等によっては海外でも利用できる |
デメリット | ・短期に大量の通信を行う場合、通信速度が制限されることがある ・バッテリーが無くなると、利用できない |
テザリングの特徴
テザリングとはスマートフォンをルーターとして扱い、パソコンやタブレットをインターネットに接続する方法です。テザリングに対応したスマートフォンを所有している人であれば使用可能です。
テザリングが向いているユーザーや、メリット、デメリットなどは下表のとおりです。
テザリング
向いているユーザー | ・テザリング対応のスマートフォンを所有している人 ・外出先で短時間インターネットを利用することがある人 |
通信の安定性・速度 | △(モバイルWi-Fiと比較して、通信速度や通信品質が劣る) |
回線工事の要否 | 不要 |
利用料 | 利用する通信キャリアによっては、利用料がかかる |
メリット | ・自宅や外出先で利用できる ・スマートフォン(テザリング対応)があれば、インターネットに接続するための機器は不要 |
デメリット | ・テザリング非対応の機種では利用できず、通信キャリアによってテザリング料金がかかる場合がある ・バッテリーとデータ通信量を消費しやすい。特に、スマートフォンの通信制限には注意が必要 |
テザリングには、Wi-Fi、Bluetooth、USBケーブルを使って接続する3種類が存在します。それぞれの特徴は下表のとおりです。
Wi-Fi |
Bluetooth |
USB |
通信速度 | バッテリー効率 | セキュリティ | ケーブル |
〇 | △ | △ | × |
△ | 〇 | △ | × |
◎ | ◎ | 〇 | 〇 |
回線選びのポイントや有線タイプと無線タイプの特徴などをご紹介してきました。もし現在、ドコモやソフトバンク、auなどのスマホを利用中であれば、各社の回線を利用してお得にインターネットを利用するのもおすすめです。
◆ドコモ光を引っ越し先で使う方法
◆ソフトバンク光を引っ越し先で使う方法
◆auひかりを引っ越し先で使う方法

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◆固定電話の引っ越し(移転)をわかりやすく解説!回線工事は必要?
◆賃貸物件を解約する流れと注意点│トラブルなく退去するには?
◆駐車場の解約手続き|引っ越しの意思はいつまでに伝えるべき?


