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収入証明書とは?種類、発行方法、必要な場面や提出時の注意点まで解説

収入証明書とは?種類、発行方法、必要な場面や提出時の注意点まで解説

収入証明書は、引っ越しをはじめ、ローンを組みたいときやお子さんの保育園入園時など、さまざまな機会で求められます。はじめて収入証明書を発行する必要が生じた場合、どこで手続きを行えば良いか、どういった書類を入手すれば良いかわからない方も多いのではないでしょうか。

今回は、収入証明書の種類や申請場所、取得方法などをご紹介します。収入証明書の発行でお悩みの方は、ぜひご覧ください。

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収入証明書はどんな書類?

収入証明書は、ご自身の収入を公的に証明できる書類で、さまざまな書類の総称として使われています。「収入証明書」という名称の書類があるわけではなく、「所得証明書類」や「年収確認書類」と呼ばれることもあります。

ここでは、収入証明書に当てはまる書類の種類や、どのような場面で必要になるかをご紹介します。

収入証明書とは?

収入証明書とは、自身の収入を証明する公的書類を指します。収入証明書には「所得証明書」や「課税(非課税)証明書」や「所得・課税(非課税)証明書」、「源泉徴収票」など、さまざまな種類があります。ただし、提出先によっては収入証明書として認められない場合があります。発行前に確認しておくのが大切です。また、自治体によって書類の名称が異なることもあるため、わからないときは窓口へ問い合わせましょう。

所得証明書

「所得証明書」とは、1月1日~12月31日にかけて得た所得を証明する書類です。「課税(非課税)証明書」や「所得・課税(非課税)証明書」などがこれにあたります。4月から翌年3月にかけての「年度」で区切られているわけではないため気をつけましょう。所得証明書の主な記載項目は、収入額、所得金額、所得控除額、年税額などです。

課税(非課税)証明書、所得・課税(非課税)証明書

「課税(非課税)証明書」や「所得・課税(非課税)証明書」とは、所得に対していくらの住民税が課税されるか、もしくは非課税であるかを証明する書類です。所得額、所得控除額、住民税の額などの項目があります。課税金額に加えて所得も記載されるため、収入証明書として使えます。似た名前の書類に「納税証明書」がありますが、こちらは所得金額を証明するものとしては使えません。滞りなく納税していることを証明したいときに発行します。

源泉徴収票

「源泉徴収票」も1月1日~12月31日の所得を証明する書類ですが、基本的にひとつの勤務先で得た収入しか計算されません。複数の職場で働いている方は、すべてのお勤め先の源泉徴収票を用意する必要があります。源泉徴収票には、支払金額、給与所得控除後の金額、所得控除の合計額、源泉徴収額などといった記載項目があります。

給与明細書

「給与明細書」も収入証明書として使える場合があります。賞与が出た場合は、賞与明細書も一緒に提出することがあります。給与明細書は1年分まとめてではなく、最新のものを提出すれば良いケースが多いようです。給与明細書には、支給額、控除額、差引支給額などといった記載項目があります。

住民税決定通知書・納税通知書

「住民税決定通知書」および「納税通知書」は、住民税の金額を通知するための書類です。年税額、所得控除額、課税総所得金額、課税標準額、税額の内訳、毎回の納付額などが記載されています。

個人事業主など、個人で税金を納める方や年金から天引きされる方には、6月ごろに自治体から直接送付されます。会社員など、給与から天引きで納める方には、4月~7月ごろに勤務先を通じて交付されます。これらの書類は一般的に再発行ができないため、紛失しないよう大切に保管しましょう。

確定申告書の写し(控え)

自営業のように給与以外で収入を得ている方は、「確定申告書の写し」が収入証明書になることがあります。確定申告時に作成した書類をコピーして提出しましょう。

上記の書類は、提出先によっては収入証明書として認められない場合があります。発行前に確認しておくのが大切です。また、自治体によって書類の名称が異なることもあるため、わからないときは窓口へ問い合わせましょう。確定申告書には、収入や所得、源泉徴収額、各種控除の詳細、所得税、復興特別所得税などの記載項目があります。

収入証明書の提出が必要になるシーンは?

収入証明書は、大きな金額が動く買い物や、重要な契約を結ぶときなどに必要になります。たとえば賃貸契約です。家賃の支払い能力があるかを見極めるため、入居審査の際に提出します。

新居や自動車の購入などでローンを申し込むときやキャッシング機能付きのクレジットカードを発行するときも同様に、収入証明書を求められます。ただし、ローンを組む金融機関やキャッシングの金額などの条件によっては、証明書が必要ないこともあるようです。

お子さまを保育園に入園させるときにも収入証明書を発行することがあります。とくに認可保育園は保護者の収入によって保育料が変わることが多いため、基本的に収入証明書を提出します。

また、配偶者の健康保険の扶養に入る際には、収入証明書類の提出が求められることがあります。健康保険の扶養対象となるのは、「年収130万円未満(※)かつ被保険者(扶養者)の収入の1/2未満」の場合です。提出した収入証明書類をもとに、扶養要件を満たしているかどうかが確認されます。提出が必要な書類は、給与明細書や所得証明書などが一般的ですが、健康保険組合や協会によって異なる場合があります。詳細は配偶者の勤務先に確認しましょう。

(※)60歳以上または障害者の方は年収180万円未満が基準となります。

収入証明書の提出は提出先によって具体的な要件は異なるため、対応窓口なのか、郵送なのかなど、事前に確認が必要です。

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収入証明書はどこで発行できる?

収入証明書は、市区町村役場やお勤めの職場、税務署などで発行できます。書類によって発行元が変わってくるため気をつけましょう。ここでは、収入証明書の発行場所や取得方法をご紹介します。

収入証明書の発行場所

収入証明書は、書類によって発行場所が異なります。以下の表をご参照ください。また、気をつけたいのが引っ越しをしてお住まいが変わった場合です。課税証明書などは1月1日時点に住民票を登録していた自治体で発行する必要があります。

書類名 発行場所
所得証明書 市区町村役場
課税(非課税)証明書 市区町村役場
所得・課税(非課税)証明書 市区町村役場
源泉徴収票 勤務先
給与明細書 勤務先
確定申告書 市区町村役場・税務署

収入証明書の発行方法と必要なもの

市区町村役場で収入証明書を発行する場合

お住まいの市区町村役場にて収入証明書を発行したいとき、基本的に必要になるのは顔写真付きの本人確認書類です。押印が必要になることも多いため、印鑑を忘れずに持っていきましょう。

交付申請書に氏名や住所などの必要事項を記入して窓口に提出すると、書類を発行してもらえます。窓口は市区町村役場の税務課のほか、区民事務所や各市町村の支所などにも設けられていることがあります。申請書は現地で入手するのが基本ですが、自治体によっては公式ホームページからダウンロードできることがあります。事前に記入しておきたい場合はぜひ利用しましょう。また、証明書を受け取る際には交付手数料がかかる場合があります。金額は自治体によって異なるため、ご確認ください。

ご自身が行けない場合、代理申請することも可能です。ただし、代理人は身分証明書と委任状の持参が必要になります。代理人を立てられない場合や遠方に引っ越しをして窓口に行けない場合などは、郵送でも請求できます。こちらも自治体によってルールは異なりますが、原則として本人からの申請が必要です。発行された証明書が送付される宛先も、本人の現住所に限られます。手数料は定額小為替や現金書留などで支払います。ほかにも自治体によって条件が異なるため、ホームページ等で確認しましょう。

勤務先に収入証明書の発行を依頼する場合

源泉徴収票や給与明細書などは、勤務先から発行されます。源泉徴収票は所属する会社から年末~1月にかけて配布されることが多いですが、もらえないときは担当の方に問い合わせましょう。

収入証明書として有効な給与明細書は直近1カ月分など、提出先によって期間が定められています。紛失した場合は、会社の担当者に事情を説明して再発行してもらうことが可能です。離職している場合は当時所属していた会社の人事や総務担当者などに連絡して、再発行を依頼しましょう。

税務署で収入証明書を発行する場合

確定申告を行ったときの控えを紛失した場合は、税務署にて再発行の申請を行う必要があります。申し込む際には「保有個人情報開示請求書」が必要です。書類は税務署もしくは国税庁のホームページから入手できます。窓口で請求する場合、身分証明書と手数料300円が必要です。身分証明書と認められるのは運転免許証やマイナンバーカード、健康保険証の被保険者証、外国人登録証明書などです。

加えて、郵送で再発行を依頼する場合には住民票の写しが必要になります。マイナンバーを記載していないものを発行するよう注意しましょう。また、マイナンバーカードのコピーを本人確認書類として同封する場合も、マイナンバーが記載されていない表面のみを印刷するよう気をつけます。手数料については開示請求書に300円分の印紙を貼ってお支払いください。

また、確定申告書の控えは、再発行に1カ月程度かかることがあります。窓口で申請しても、すぐに控えをもらって帰ることはできません。後日通知書が送られてきてから税務署の窓口にもう一度行って受け取るか、郵送してもらうことになります。できるだけスケジュールには余裕を持って申請しましょう。

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収入証明書はコンビニでも発行できる?

仕事や家事などで忙しく、窓口へ行く時間が取れない方は、コンビニで所得証明書を発行する方法があります。マイナンバーカードを利用して、煩雑な手続きをせずに必要書類を入手しましょう。

自治体によりますが、マイナンバーカードを保有していれば、コンビニで所得証明書を発行できます。住所地のコンビニに限らず、コンビニ交付サービス対応のマルチコピー機を設置している全国のコンビニで発行可能です。お住まいの自治体がコンビニ交付サービスを提供しているかはホームページでご確認ください。

なお、コンビニで所得証明書を発行できるのはマイナンバーカードをお持ちの方のみです。顔写真の入っていない通知カードではコンビニ交付が行えないため注意しましょう。

コンビニ交付は、急遽証明書が必要になった方や、忙しくて窓口に行きにくい方などにおすすめです。ただし、コンビニの店舗のように24時間365日対応しているわけではなく、利用時間が定められています。また、発行の際には手数料がかかるため、必要な金額を用意しておきましょう。

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収入証明書を提出するときの注意点

収入証明書を提出する際は、働き方や収入状況に合わせた適切な書類を準備する必要があります。収入証明書を提出する際は、次のような注意点があります。

個人事業主は確定申告書などを提出する

給与明細書や源泉徴収票が交付されない個人事業主やフリーランスは、以下のような書類を収入証明書として提出するのが一般的です。

  • 確定申告書(最新のもの)
  • 納税通知書
  • 所得証明書(自治体で発行)

なお、ローンやキャッシングを利用する場合、借入額が50万円以下(かつ他社との合計が100万円以下)であれば収入証明書の提出は不要なことが多いですが、個人事業主は金額にかかわらず提出を求められる可能性があります。

収入のない学生や専業主婦(主夫)は収入証明書を提出できない

ローンやキャッシングでは返済能力の証明が求められるため、収入のない学生や専業主婦(主夫)は収入証明書を提出できません。

ただし、アルバイトやパートをしている場合は、以下の書類を収入証明書として利用できます。

  • 源泉徴収票(年末に勤務先から交付)
  • 給与明細書(直近数か月分)

失業中の場合、前職の収入証明書を提出できない

ローンやキャッシングを申し込む際、前職の源泉徴収票や給与明細書は収入証明書として認められません。基本的に、お金を借りるためには安定した定期収入が必要なため、失業中の方はカードローンやキャッシングを申し込むことができません。

副業をしている場合、すべての収入が分かる書類を提出する

たとえば、本業の給与所得に加えて、副業で事業所得がある場合は、勤務先からの源泉徴収票や給与明細書だけでは不十分です。副業やダブルワークをしている場合、すべての収入を証明できる書類を提出する必要があります。

確定申告を行っている場合は、以下の書類を提出しましょう。

  • 確定申告書の控え
  • 所得証明書

収入証明書についてのよくある質問

収入証明書について、よくある質問には次のようなものがあります。

収入証明書を失くしてしまったら?

収入証明書を紛失した場合は、再発行の依頼が可能です。

勤務先から発行される源泉徴収票や給与明細書は、担当者に事情を説明し、再発行を依頼しましょう。

確定申告書の控えなど税務署が発行する書類は、窓口または郵送で「保有個人情報開示請求書」を提出すると再発行が可能です。ただし、1件につき300円(オンライン申請の場合は200円)の手数料がかかり、手元に届くまで約1カ月かかる点に注意が必要です。

所得証明書や課税証明書など、市区町村役所で手続きできる書類は、窓口で再交付の手続きを行うことで取得できます。

手間や時間などを考えて、再発行が難しい場合は、ほかの収入証明書で代用しましょう。

収入証明書の有効期限は?

収入証明書自体に有効期限はありませんが、必要な場面や提出先によって、いつからいつまでの収入を証明している書類が必要なのか異なります。確認するようにしましょう。

引っ越しに必要な収入証明書の発行はお早めに!

収入証明書は、引っ越しやローンの審査など、さまざまな手続きに必要です。収入証明書の種類によっては発行までに時間がかかってしまうため、早めに入手できるように心がけましょう。

引っ越し時には収入証明書の発行以外にも、ライフラインの切り替えやクレジットカードの住所変更など、非常に多くの手続きが必要です。

リストアップし、効率よく手続きを済ませるのがおすすめ。これから引越しを控えている人は次の「引っ越しやることリスト」を利用しながら、スケジュールの管理に役立ててください。チェックリストをエクセルとPDFでダウンロードできます。

負担を少しでも減らしたいときは「引越れんらく帳」にお任せください。一括申請で引っ越しにともなう諸手続きが可能です。対応事業者はホームページにてご確認ください。

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